石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

ラジオ新語時点2017

 

 ラジオにはその番組番組特有のノリがあるので、いろいろな言葉ややりとりが生まれます。そんなふうに、今年生まれた言葉を集めました。

(い)いなり百貫
出典『バナナマンのバナナムーンGOLD』
 『バナナマンのバナナムーンGOLD』のミキサーである猪野のこと。いなり寿司なら百貫は食べられるという自称に由来。「高校時代70キロ太った」「彼女を女性に取られた」というエピソードもあるが、信用されておらず、バナナマンからは嘘扱いされている。
 (例)『バナナマンのバナナムーンGOLD(17.10.21)』の「大食いアイドルもえあずVSバナナムーンGOLDメシ軍団!」の紹介文は、「自称高校三年間で70キロ太った男。自称いなり寿司なら百貫食える男。自称彼女を女に寝とられた男。バナナマンさん、俺の嘘吐きいじり。今日で終わりにしましょうや。」

 

(う)嘘を吐くなよ!
出典『オードリーのANN』
発言者:オードリー春日
 『オードリーのANN』でいつのまにか恒例になっていた、若林が白々しいことをいうと、春日が「嘘を吐くなよ!」とツッコむというやり取りに由来。
(例)
若林「こうやってね、まあ、相方と二人っきりで喋れるという時間を設けてくれてニッポン放送さんにありがたいなという気持ちで」
春日「嘘をつくなよお!」 

 

(え)エロパソヨガ(エロパソ健康法)
出典『オードリーのANN』
発言者:オードリー春日
一日二時間ほどエロ動画を漁ってネットサーフィンに興じる春日だが、それをしないと体調や気分がすぐれないということから、もうヨガくらい体調をよくするものであるということに由来。
事務所のプロフィールの趣味の欄にも「パソコンヨガ」として加わった。

 

(お)御チン(おんちん)
 出典『くりぃむしちゅーのANN(17.05.29)』
 発言者:くりぃむしちゅー上田
 リスナーからの「おちんちんは尊敬語ですか?それとも謙譲語ですか?」という質問から入ったミニコントから出た言葉。上田曰く「おちんちんは丁寧語」。
(例)上田「先生の御チンの御具合のほうをですね、わたくしちょっと様子を賜りたいと思いまして。御たま(おんたま)の方の様子を賜りたいと思いまして。」

 

(か)可愛いかよ!
 出典『ハライチのターン!』
 発言者:ハライチ岩井
 ハライチ岩井がお気に入りの、パンサー向井と遊ぶごとに感じる、向井の可愛さが心から溢れた時に出る言葉。岩井が「可愛いかよ」と思った向井の行動には「初めの一杯のお酒でビールでなく、ジンバックを注文する。」「ピザを注文する。その注文を笑顔で食べる。そして、あんまり食べられないから、結局岩井の方が多く食べていた」などがある。

 

(こ)公式イノシシ
出典『バナナマンのバナナムーンGOLD』
発言者:バナナマン設楽
元AKB48であり元SDN48であり、タレントの野呂佳代のこと。バナナマンにとって乃木坂46が公式妹、星野源が公式弟なら、局地的にバナナマンにハマっている野呂佳代は何かと問われた設楽が出した答えより。
 (例)『バナナマンのバナナムーンGOLD(17.10.21)』「大食いアイドルもえあずVSバナナムーンGOLDメシ軍団!」での紹介文は、「飯のことなら私に任せな。小学校から四股を踏み、AKBにごっつぁん合格。歌って踊って食って太って、アイドル界の、いや、イノシシ界の雌イノシシ」。

 

(と)豊島公会堂の間(ま)
 出典『オードリーのANN(17.12.17)』
 発言者:オードリー若林
 オードリーの二人が高校生の頃、池袋の豊島公会堂に見に行った「ギャグコレクション」という爆笑問題ネプチューン、当時の海砂利水魚らが出演していたお笑いライブ。
 そこで見たネプチューンの「食い逃げ」というコントでの堀内と泰造の「あのー、食い逃げしていいですか?」「やってみれば?」というやりとりの、溜めの間(ま)を見て若林が「プロはこんくらい溜めるんだな」って思ったことに由来。
(例)若林「今もあの間(ま)でやってるなって思うもん。ネタやる時は。俺の中心にあるのはあの間(ま)でやってるから。豊島公会堂の間(ま)で。豊島公会堂の間(ま)だから、俺の間(ま)は。」

 

(と)泥目線
 出典『伊集院光 深夜の馬鹿力
 発言者:伊集院光
今年から使い始めた、恐らく、泥の様に汚れた目線、泥に浸かっているくらい低いところからの目線という意味合いの言葉。

 

(に)二階のトシちゃん
 出典『東京ポッド許可局』
 発言者:プチ鹿島
 自民党二階俊博幹事長のこと。プチ鹿島はあぶなっかしいおじさんとして二階幹事長ウォッチ。その中で、生まれたモノマネ「黙って聞け~」「落とすものなら落としてみろ~い」もプチ流行。

 

(は)バイオハザードみたいなもん
 出典『くりぃむしちゅーのANN(17.05.29)』
 発言者:くりぃむしちゅー上田
 くりぃむしちゅーの二人が、熊本地震からの復興のために毎月行われているトークライブの観客が、リスナーの確率が高く、「ラジオの話をすると拍手が起きる」「その時その時に最近あったことの話をするんですけど、一言ババアっていうと、うわーってなったり」「こないだだって僕(有田)が死ぬ思いをしたっていう話をしているのに、上田さんだって漫才みたいなのを披露して、汗かいてトークして、一番盛り上がったのは『えー、今度ANNやります』って渦の様なうわーって、あれ、リスナーですもんね」とこぼすくりぃむしちゅー。その中で上田が言い放った、「思い切ったこというけど、リスナー出入り禁止にする」「なんだあいつら、バイオハザードみたいなもんだな。次々に汚染されていくな」という、何年もくりぃむしちゅーのANNを愛し続けているリスナーをゾンビ扱いする鬼畜の言葉。

 

(や)ヤギの怪獣・ヤギゴン
出典『伊集院光 深夜の馬鹿力(17.12.12)』
 発言者:伊集院光
 伊集院光が「高校行けなくなって自分の中の心がかなりやべーことになっている」時に「この世の中を端から食べればいい」と想像していたヤギの怪獣のヤギゴン。
 
 以上です。個人的に一番日常生活で使えるのは「泥目線」「バイオハザードみたいなもん」だと思います。バイオハザードみたいなもんですし、泥目線なもので。 

お笑イイはなしーさー2017


 2017年ももうあと少し、振り返ってみても、今年もお笑いは色々な事件が起きたり歴史が刻まれたりして楽しかったわけですが、そんな中で独断と偏見で今年の「いい話」を決めたいと思います。ここでいう「いい話」はただの「いい話」ではなく、噛みしめれば噛みしめるほど味があるという意味での「いい話」ですので悪しからず。

 

10位 アルコ&ピース平子が赤坂で「センターマイクを燃やせ」と咆哮したという話。

 ウエストランドがM-1グランプリ2017の準々決勝で、会場で一番のウケをかっさらっていたにも関わらず、準決勝にコマを進めることが出来なかったことを受けて、アルコ&ピース平子が、ラジフェスで「すべてのセンターマイクを燃やせえええ!!!我々はウエストランドを支持するううう!!漫才という概念を燃やせえええ!我々はコント師だあああ!!!」と咆哮したこと。ただ、アルコ&ピースはアルコ&ピースで、KOC2017は準々決勝で敗退している。それも含めて、いい話。

 

9位 伊集院光深夜の馬鹿力』で岡崎体育がネタにされた後、岡崎体育本人が反応したが、その後、一切ネタに出てこなくなったという話。

 伊集院光深夜の馬鹿力』のカルタのコーナーの「大人のなんでだろう」のわ行のネタで、「笑いの最高峰が岡崎体育という共通認識の男女のグループの中で免許合宿がスタートしたのだけど1日目の昼休みですでに限界を迎えていたのはなんでだろう」というものが採用された翌日に、岡崎体育本人が「伊集院光さんのラジオで俺のこと馬鹿にされてた。俺ついにそのステージまで来たのか。やる気出てきたな。」とツイッターで反応。それ以降、一切岡崎体育がネタにされなくなったという、的確にネタにしたリスナーと、岡崎体育と、そういった行動をする人間が一番嫌いなはずなのでネタに使わなくなった馬鹿力リスナーという登場人物全員の行動が総じて「らし」すぎる、漫画家が言うところのキャラが勝手に動いたようないい話。

 

8位 まんじゅう大帝国、高田文夫のコネでタイタンに入社したという話。

 アルコ&ピースの『D.C.GARAGE』でフリートークに登場して以降、リスナーを始めとして、お笑いマニアから注目を浴びていた漫才コンビ、まんじゅう大帝国。コンビ名のインパクトだけでなく、田中と竹内は、学生落語王者決定戦である「てんしき杯」で、優勝したことのある田中と、準優勝したことのある竹内という二人の実力は折り紙つき。そんな二人が、完全なる高田文夫のコネで、憧れの爆笑問題が所属するタイタンに入社したといういい話。
 
7位 タイタンシネマライブ、北海道から沖縄まで制覇したという話。

 爆笑問題が所属するタイタンは、タイタンライブという事務所ライブを二カ月に一回、偶数月に開いているが、何年か前から、タイタンシネマライブと称して、映画館でのライブビューイングを行っている。上映劇場は少しずつ増えて行き、今年の10月に、ついに北海道は札幌でも見られるようになった。これで、タイタンシネマライブを上映する劇場は北海道から沖縄までに点在することになって、ついにタイタンライブが日本を制覇したといういい話。

 

6位 ロザン宇治原が『アタック25』に出場するもパネル獲得数0枚だったという話。

 ロザン宇治原が『アタック25』に出場するもパネル獲得数が0枚だったこと。それ以上でも以下でもない、いい話。

 

5位 『めちゃイケ』が終ることに対して、今田耕司が岡村に宛てたメールの文面が「東京お笑い死闘編前篇お疲れさまでした」だったという話。

 『岡村隆史オールナイトニッポン(2017年11月09日放送)』の放送で、『めちゃ×2イケてるッ!』の終了が正式に発表されたことについて、岡村隆史が話していた。そこで、今田耕司から着たLINEには「東京お笑い死闘編前篇お疲れ様でした」と書かれていたという話。岡村はその中で、「そうや、と。これから東京来て右も左も分からへん、みんな、だからあれですよ。ダウンタウンさん、ウンナンさん、とんねるずさんっている中にこう土曜八時に入っていかなあかん。あのプレッシャー。だからもっと褒めてくれって。21年続いたということを。真剣振り回している時ですよ。ほんまにダウンタウンさんやら、今田さんもそうでしたから。そんな中、だから今田さんなんか分かる。その東京お笑い死闘編、これは前篇なんや、こっからが後篇なんやでということで、お疲れさまでした。あ、確かにそうや、これからまた後篇に向けて、50代、60代頑張っていかなあかんねんなという、ありがとうございますと、後篇に向けて頑張りますと返して」と話していた。

 

4位 爆笑問題太田光が、「ダウンタウン松本は大っきらい」と言ったことから始まったやりとりに、ダウンタウン松本が「水道は締めたらな」とオチをつけたという話。
 
 ビートたけしがMCを務める朝の特別番組『おはよう、たけしですみません。』が10月2日(月)から6日(金)までの期間、生放送された。
 その中で、水道橋博士に煽られる形で、爆笑問題太田光ダウンタウン松本のことを「大嫌いです」と発言。それに対して、ダウンタウン松本は『ワイドナショー』で「まあ盛り上がったんならいいですよ。何より盛り上がって話題になって、笑いが起こったんなら全然、僕はいいと思いますよ。そういう意味じゃもう何だってありやと思うんですよ。僕はBIG3大嫌いですから」と語った後に、「ずるいのは水道橋(博士)だわ。アイツがズルいわ。アイツが自分の手を汚さず、なんか人をたきつけてるよね。アイツは悪い。俺、ちょっと水道はシメたらなアカンな。水道はしっかり締めてやろうかなと、一滴も出さないように」と綺麗なオチをつけたという話。

 

3位 エル・カブキの単独ライブ「年刊実話~リアルワン~」のチケットが、昨年の単独ライブの大盛況を受けて、初動は早かったものの、その後、ぴたりと動きが止まったという話。

 マセキ芸能者所属の漫才コンビのエル・カブキが昨年、単独ライブ「年刊実話」を成功させて、今年2017年も単独ライブが「リアルワン」として行われることになった。ライブ会場も、昨年の新宿バティオスからキャパも多い新宿シアターモリエールへと変更し、いざチケットを発売してみたら初動が早く、一気に完売になるかと思ったものの、しばらくしたらストップしてなかなか売り切れなかった、けれどもそこからもゆっくりゆっくりチケットが売れたという、どうにもこうにもエル・カブキっぽい、いい話。
 
2位 ムッシュかまやつのカツラを、堺正章が持っているという話。

 タイタンライブにビートたけしが、立川梅春として出演した回で聞くことが出来たゴシップいい話。今年亡くなったムッシュかまやつ実弟が、盟友である堺正章に「兄が肌身離さず持っていた物です」としてカツラを形見分けをしたという、いい話。

 

1位 シオプロの新規採用が男女それぞれ3人ずつの計6人だったが、男子3人が全員留年してしまったため、入社できなかったという話。
 『ゴッドタン』『水曜日のダウンタウン』『バラエティ開拓バラエティ「日村がゆく!」』という、深夜からゴールデン、果てはネット番組まで、幅広くお笑いマニアの琴線をくすぐり続けている制作会社シオプロに、2017年度の新入社員が男女3人ずつの計6人入社することになった。いわば、彼らは今後のバラエティを担う人達であるわけだが、『日村がゆく』情報によると、そのうち、男性3人全員がそれぞれ留年して卒業できずに、入社出来なかったという、何とも「らし」すぎる、いい話。

 

 いかがでしたでしょうか。個人的に胸が熱くなった話から、らしすぎる話を集めてみました。ちなみにワーストは、「にゃんこスターがカップルだった」になるはずだったのですが、「たかまつなながNHK内定」が年末に一気にまくってきました。たかまつななといえば、ライブで一度見た時に、「お笑い分からないんです」というお嬢様キャラを盾に、そこをいじられるということだけで場を他の芸人に成立させていたんですけれど、そんな人間に面白いテレビを作ることが出来るのでしょうか。これほどまでに受信料払いたくなくなったことはありません。
以上!来年も良い話お待ちしております!!!!!

質問箱

Q 芸人を好きになる時、どのくらい面白さを重視しますか?

A 最終的には7くらいですね。残りの3はやっぱり人柄が大事です。そこを図るのはネタの性質だったり、バラエティの立ち振る舞いだったり、ラジオが面白いと一気に好きの深さは上がります。

 

Q なんで朝井リョウ嫌いなの?

A 最初違和感を覚えたのは、インタビューで「馬鹿力のことを仲間意識が強くて入りづらかった」って言っていたところですね。ファン目線だからっていうことを差し置いても、断言できますが、あんなに一見さんに優しいラジオはないです。
でも、一番の原因は、デブッタンテの時に、ハライチとうしろシティに喧嘩を売っておいて、デブッタンテサイドに切れられたら、「いや、まじで取られても~」的な感じを出したところですかね。
要はラジオに土足で入ってきてるところですね。勘違いしないでほしいのは、嫉妬心は全くないです。小説、面白くなかったので。
あと、未だにハライチのターン!聴いているみたいなので、気が狂っているのかなって感じです。
朝井リョウについて、ラジオ愛があると思っている人にも、そういうとこ気付かねえのかな、と思います。

 

Q ラジオネームの由来ってなんですか?
A 設楽さんがたまに言う「よく昔さ、マラソンとか部活のランニングとかでもさ、キツイとやめたいけど、“あの次の電柱までは走ろうとかさ、何か目標つけて、あの次の電柱、その2本目の電柱って感じで、その電柱を自分へのご褒美に置き換えて、ここまで行ったらこの映画を見に行こうとか、ゴルフ行こうとかの電柱を置いとくわけ」という理論ですね。
なんでそれにしたのかはあんま覚えていないですが、漢字四文字だし(爆笑問題っぽい)やっぱり何となくですね。多分、これで読まれていなかったら、色々変えていたと思います。
今は東京ビチャビチャ大学に変えたいという気持ちもありますが、ゲン担ぎで替えられずにいます。

 

Q 自分の特殊な性癖は?
A 乱交モノのAVが好きなくらいですね。最近、乱行って書く風潮があってムかついています。

 

Q ラジオ投稿のスキルアップをするために読んだ方がいい書籍などがありましたら教えて下さい
書籍はないです(笑)投稿するネタを考えるにあたって、読まれたネタを書き起こしてみたりして、文体を近付けるようにはしました。あ、そういう意味では、せきしろさんとピース又吉の本はいいのかもしれません。

 

Q あなた天才ですか?
A お笑いブログ書いている人の中だけでいえば、文章力だけでいえば負けない自信はありますね。地方住み、遠征も年に回程度という飛車角落ちの状態で頑張っています。

もっと更新頻度あげられればいいんですけど、あんまりむやみやたらに褒めたりしたくないのでね。

 

Q どんな時にネタが浮かびますか?
A 考えようと思って考えて出てくる時もあれば、その時には全然出なくて、その後しばらくして出てくるって感じですね。ワードだけ浮かんだら、スマホに入力して、しばらくして帰宅して投稿のためにパソコンに向かうと意外にネタの形になったりします。 
具体的には、馬鹿力のおっぱいカルタのな行で読まれた「熱が40度あるせいかベージュの洋服でニュースを読む市川沙耶がおっぱい丸出しに見えるので病院に行くのはユアタイムが終わってから」は、「な行・・・な、に、ぬ、ね、の、ね、熱、熱があるから」で、「熱があるから、もうろうとしてる。視界がぼやけているから、ベージュの洋服が裸に見える」「おっぱいが大きい市川沙耶、ユアタイム」を、これはユアタイム終了のニュースにもかかっていて、自分でも来たな!と思いました。
ツイッターでつぶやいた「平手ちゃんこと西内まりや」はつぶやいた1秒前に思い付いたものです。

 

Q ダイアンの現在についてどう思われますか?
A よなよな聴かなくなっちゃったんですが、このまましれっとハイヒールの二人みたいに関東の人も知っている位置にいくんだろうなと思います。もっと西の雄クラスで、ネタ番組に呼ばれてもいいのかなとか、東京の深夜とかもうちょっと呼ばれればいいのになと思います。二人ともパワータイプなので、大阪メインでいいのかなとは思います。
京進出すると、津田が浮気しそうで、今のご時世的にもうるさいですし(笑)。

 

Q人生で1番心に残るラジオの放送回を教えてください。
Aこれは難しいので、笑ったで限定します。
シカマンと生ダメの合同「 木曜JUNK&JUNK2 3時間ぶち抜き中継企画 リスナーの命令は絶対SP(2007.08.30)」ですね。腹ちぎれました。

 

Q あなたにとって、爆笑問題とはどんな存在ですか。
A 伊集院さんもそうですが、了見ですね。お笑いより好きです。

Q あの頃の設楽統はもういないのでしょうか…
A います。来年2月にでる「Super heart head market」のDVDにいます。見てみてね。

 

Q 物書き志望なんですか?
A はい、小説書いてます。フォロワー1000人越えるか、三本くらい貯まったら、文学フリマにでも出ようかな。

 

Q ラジオ番組の投稿で心がけている事はありますか?
A ネタ投稿に関しては、本当にパーソナリティーの胸を借りるつもりで送っているのであんまりそういうのはないのですが、強いて言うなら、投稿のためにコーナーだけを聞いて送るとかはしないですね。それはキリがないのと、放送作家になりたいために送っているというわけではないので。だから、それをやっている人を否定しているというわけでは全然ないです。あくまで自分のルール。
 あとルールと言えば、芸能人ネタを使う時はそのコーナーであまり出ていない芸能人を使うっていうのは心掛けてます。

 

Q 奥さんのどんな所が好きですか?
A 僕は家で奇声を発したりするのですがそこを無視するところとかですかね。あと、「世界不思議発見」を見ていると、未だに「坂東英二がいない!」とか言うんですけど相手をしてくれるところです。

 

Q 今年もベストラジオ期待してます。ノミネート外であろう好きだった回などあったら教えてください。
A ありがとうございます。ベストラジオ頑張ります。ベストラジオにはぼんやりとした基準があって、必ず面白いバナナマンの歌地獄関連とかは外していたりします。他には、平場で特筆することはあんまりないけれど何故か、コーナー含めてめっちゃ面白かったな、という回は説明しづらいのでベストラジオに入れていなかったんですね。で、今年はそんなのをコアラジオと称して、より個人的に面白かったと思うラジオを紹介するつもりなので、それが、質問の答えになるのかなと思いますので、しばしお待ちを!

 

Q タマキンは好きですか?(言葉の響き的に)
A キンタマのほうが好きですね。タマキン関連って言葉は好きです。

 

Q カラオケの十八番はなんですか?
A 星野源の「恋」、ハイロウズの「青春」とかですかね。

 

 

キングオブコント2017感想

こんにちは、琉球バナナマンです。

キングオブコント2017見ました。以下、感想と与太。順番は点数順。


10位・GAG少年楽団『幼なじみ』
幼なじみが恋愛だけ全く進展しないまま59歳を迎えたという設定の哀愁あって好きなネタ。

9位・パーパー『卒業式』
じわーっと爆発しそうな空気のまま終わってしまったのが物足りなかった。
マルチ商法のくだりとかを山田に言わせるとかするなりして、山田のセリフで笑いたいという欲求が出てきた。一本のコントの中で関係性がひっくり返るとかの転も欲しい。

8位・ゾフィー『母親の家出』
母親が出ていった理由が徐々に明らかになっていく奥行きを感じさせるたまらないコント。上田はネタを書いてるだけじゃなく、よーく見ると、飛び跳ねたり、舞台袖へ走る時の動きが絶妙にコミカルで面白い。これがサイコパスな息子のエグみを消している。もっと動きまわってほしい。生で見たらもっと面白いんだろう。
他にももっと面白いネタあるんだろうなと思わされたので、来年以降も戻ってくるだろうし、かもめんたるのように微調整してキングになる可能性だって十分にあると思う。
そういう意味では二本目も見たかった。
ゾフィー、フリーも良いけどタイタンという選択肢もあるよ。社員旅行もあるしね。

 

 7位・アキナ『バイトの休憩』
バイトの休憩室でのバイト同士のやりとり。面白かったけども、オムニバス的な作りになるとモンスターエンジンの名作『ミスターメタリック』と比較してしまうのと爆発が生まれにくいってのがありますね。

 

6位・わらふぢなるお『お客様サポートセンター』
わらふぢなるおはトップでありながら、確実にハメてくる骨太のコントでした。何よりふぢわらの目がいつにも増してバッキバキだった。
なるおが電話を架けたお客様サポートセンターに働いているふぢわらが「今日でこの仕事やめるのでむちゃくちゃやってやろうかと思って」と言うのだけれど、これは、今から面白い話をします、と言ってフリートークするようなもの。でも、それを越えたら、コントにおける「何でこの人はこんな変なことをやっているんだ」問題をクリアに出来るという諸刃の剣だったりする。わらふぢなるおの実力は、その賭けに勝ち、本当にむちゃくちゃなことをやって、ボケとツッコミも面白く、そのラリーが心地よい。それはまさに、サンドウィッチマンの系譜にある。だからこそ、もっとそのやりとりを増やしてくれ!と欲しがってしまう。重ね重ねトップバッターというのが惜しい。
加えて何故か、電話相手の様子が見えているのかもしれないという恐怖を乗っけることでより深みが出てて単に変な人コントでなくなっていたのが良かった。
ここからは余談。前半にあったように電話が繋がらなくなったと思ったら、後ろにふぢわらが立っていたっていうほうが怖い気がするので、そっちも見てみたいと思った。
怖いといえば、バナナマン日村が「電話でのやり取りというありがちな設定だけどそれを越えてきた」という旨の話をしていたけれども、その日村が電話でやりとりをするという設定の「ルスデン」というコントをもう十数年前にやっていることのほうが怖いな……。

 

5位・アンガールズ『海水浴で』『尾行』
アンガールズのネタが面白いのは分かりきっているからこそ、最初は賞レースというよりはネタ番組のように、ゆるやかに見てしまった。
「自分達のことを分かってる」過ぎるゆえのネタでもあったのでどうしても欲しがってしまった。二本目はめちゃめちゃ好き。この悲哀よ。
「法の中で暴れてるだけ~」は他のコントでも見たことあるセリフなのだけれども、全然面白い。むしろ、このセリフを入れるコントを色んな設定で作り続けてほしい。

 

4位・ジャングルポケット『エレベーターにて』『組織』
一本目については、これまでで一番好きです。ただ去年の『トイレ』のネタも同様ですが、ボケが多すぎるので間がキツキツになってしまうので、個人的な好みとしてはもっとボケを減らして重くしてほしいというのがある。このキツキツな感じが賞レースだというのも分かるけども。
ダウンタウン松本がドアの開閉の間が惜しかったと言及していた件については、恐らく裏に誰かがいて、人力で開閉しているからこその間のズレなので、モノ作りが得意なチョコレートプラネット長田に、本物のエレベーターと同じような電動で開閉するボタン式のドアを作ってもらうしかないと思う。
ただ例えコントがどんなに面白くなっても、おたけのことはコロコロチキチキペッパーズ同様に愛せる気がしない。

 

3位・さらば青春の光『居酒屋の注文』『パワースポット』
一本目なんてどんな発想で思い付くのか全く分からないくらいに面白い。さらばに関しては面白いしか感想が出ないのがつらい……。

 

2位・にゃんこスター『リズムなわとび』『リズムフラフープ』
何といってもにゃんこスターですが、まさにどこから話しましょうかという感じ。もちろんめちゃめちゃ笑いました。
何より導入とオチ。まさかの自己紹介オチ。でもこんな言葉は無い。
アルコ&ピースはその昔、病院では血液が不足しているので献血をしましょう!という、厚労省オチはやってました。厚労省オチという言葉もないけど。
にゃんこスター、何が面白いって、きちんとした構成を、スーパー3助の裏返りそうで裏返らない、ぎりぎりノイズになっていない、おぎやはぎ矢作以来の面白い叫び声と、アンゴラ村長の目を細めた顔で肉付けしていくところ。これはもうプリミティブな笑いで、だからこそ脳に直撃して笑ってしまう。突き詰めると、赤ちゃんがいないいないばあ、で何故笑うのかとかそういう類の話しになってくるので、文化人類学を勉強するか、『たけしの万物創世記』で扱うものだ。

ハートフルなネタと見せかけておいて、縄跳びやフラフープを床に叩きつけるという音が意外に響くという暴力性もあるところもまた最高だった。
他にも、スーパー3助が全然アンゴラ村長を見ていない時があるとか、昨年のラブレターズの野球拳の流れもあったとか、または、それらが渾然一体となったからあの爆発が生まれたとか、「堂本剛の正直しんどい」よろしく、VTRを停止しながら一つ一つツッコミを入れることが出来る。ということは、お笑いの理屈から離れていないということなので、因数分解的に解説することは可能といえば可能なのですが、これはもう、このコンビが持っている要素や場、文脈全てがびたーっとはまって共鳴して笑いを増幅させているということになる。説明出来るのに、説明出来ないところに到達してしまっていた。物理学者が研究すればするほどに、神の存在を認めざるを得なくなるといった話と同じ。
これがWikipediaの説明文を百回読んでもピンとこなかったポリリズムのことかと理解出来ましたし、あと、ここ最近鬱々としていたのだけれども、このネタを見て完全に脱出しました。
何が面白いか分からないと怯えてる皆さん、不安を怒りに変えて自我を保つ必要はありません。僕らも何が面白いのか分かってないんですから。

 

優勝・かまいたち『告白』『試着』
告白というよくある設定を「話しかけられてる人は見えなくても、存在するものとする」というお約束を逆手に取った叙述トリックで一気に変な世界へと引っくり返して、一発で観客を捕まえる。
そしてそこからは、予想を裏切りつつ脱線しすぎない展開で、どんどん転がっていくこのコントは本当に面白かった。
二本目は、試着したウエットスーツが脱げないというネタで一本目と全く異なるカラーのネタで、しかも同じくらい面白かった。
それぞれテキストの笑いとムーブの笑いの比重が異なっていて、しかも登場人物演じる二人のパワーバランスが違うという、かまいたちのネタの層の厚さと地肩の強さよ!
コントって、コント師ってこういうことだよなー。

 

・まとめ

お笑いルポライターが予選を見に行けずにすき家で味噌汁飲んでいたり、かまいたちの「浪速のバナナマン」というキャッチコピーにざわついたりしてどうなることかと思いましたが、10回目ということもあってなのか、空気感やファイナリストの色が初期に戻りつつ、コントそのものはきちんとアップデートされているという素晴らしい大会でした。
何より全体的にテキストの笑いとムーブの笑いのバランスが良くて、ああ、コントって良いなと改めて思いました。
フリーや男女コンビなど新しいものづくめで、社会人が二人(ゾフィー・サイトウ、アンゴラ村長)というのも、新しい時代という感じがしました。
バラクオバマが大統領になったことで、「どーせ黒人なんだから俺たちなんて頑張っても無駄」とアメリカの若い黒人たちが腐れなくなったのと完全に同じ構図なので、専業芸人はより頑張らないといけないですし、兼業芸人は、にゃんこスターゾフィーが出来るなら自分達にも……!となってそういうスタイルの芸人が増える可能性もあります。
この時代において社会人だからこそ表現出来る笑いや提示できる視点というのはあるはずですし、何よりお笑いを続けてもらえますから、社会人芸人という選択肢も多くなってほしい。その方が面白いことが生まれる気がします。

来年も楽しみです。

大竹まことの『ゴールデンラジオ』のゴールデンヒストリーのハガキ職人特集を聞いて思っちゃったんだからしょうがない。

 文化放送で放送されている大竹まことの『ゴールデンラジオ』のゴールデンヒストリーという、一人の人の歴史を大竹まことが読み上げるコーナーで、先日一週間の間、ハガキ職人を特集していた。
 ファイヤーダンス失敗さん、ウノTさん、顔面凶器さん、赤嶺総理さん。深夜ラジオを長く聞いている人なら、ピンとくる人達それぞれの歴史が読み上げられていた。
 なかでも、心に引っかかったのは、ファイヤーダンス失敗さんの歴史だった。バナナマンの『バナナムーンGOLD』リスナーには一番馴染みがあるからというのもあるが、その歴史に、強く共感してしまったからだ。
 「ラジオネーム・ファイヤーダンス失敗。数年前まで深夜ラジオを中心に活躍していたハガキ職人です。本名・山口慎太郎、二十歳になるまでラジオを聞いたことは一度もなかったといいます。高校時代は軽音楽部に所属。華やかな思い出は一つもありません。通っていたのはサッカーの強豪校。全てがサッカー部を中心に回っていたそうです。サッカー部の部費は百万円以上。軽音部はたった600円。誰にも相手にされずひたすら部屋に籠って少ない仲間と楽器の練習をしていました。しかし、山口さんはベースの腕前が認められ、高校を卒業する直前、当時東京で活躍していた人気アマチュアバンドにスカウトされます。山口さんは東京の大学に進み、音楽活動に打ち込みます。初めての彼女もできました。しかし、上京からおよそ一年半後、メンバーと喧嘩をしてバンドを脱退、音楽を辞めてしまいます。さらにちょうどその頃、付き合っていた彼女に振られます。大事にしていたものを全て失いました。何もやる気が起きず、学校にも行かず、家とバイト先をひたすら往復するだけの毎日。地元を離れ、友達は一人もいませんでした。バイト先はスーパーのバックヤード、肉や魚を切って、床にこぼれた血を、ひたすら掃除する仕事でした。誰とも会話をしていなかったので、声の大きさを調整出来ず、コンビニで何でもないやりとりをする時にうっかり大声が出てしまうこともよくありました。生きている意味が分からない。そんな生活が二年近く続きました。ラジオを聞き始めたのはこの頃です。ある日、兄に薦められたバナナマンのラジオに何となくメールを投稿してみました。初めてメールを読まれた時のことは忘れられません。正直大した内容じゃなかったんですけど、どーんって来ました、ほんとうに。名前を読まれた時に思ったんです。あ、俺、いるんだって。これをきっかけに山口さんは本格的に投稿を始めます。何も楽しみがない毎日の中でバナナマンに笑ってもらうことだけが救いでした。いつの間にか、二人のことが大好きになっていました。メールは番組開始前に20通以上、放送中に50から60通、番組が始まるのは金曜午前1時。いつもこの時間が近付くと頬にビンタをして気合を入れていたといいます。嘘みたいな話なんですけど本当の話なんです。あの頃はもう他に何も無かったんで。ここで頑張らないと俺の存在意義は無いって、完全に思いこんでました。少しずつ採用数は増えていき、ファイヤーダンス失敗というラジオネームはラジオリスナーの中でも有名になっていきます。自身をつけた山口さんは他の番組にも投稿を始めます。おぎやはぎバカリズム伊集院光。好きな芸人に名前を呼ばれるたび、生きていてもいい、そう言われた気持にもなりました。途中からは色んな人に面白いと思ってもらいたいとか、少しずつ欲が出てきたんですけど、正直最初は全然そんなの無かったです。どこにも居場所が無かったんで。バナナマンの二人にただ自分の名前を読んでほしかったんです。山口さんは大学を卒業後、映画館でバイトをしながら、脚本家を目指しています。大きな目標の一つは自分の書いたドラマにバナナマンに出てもらうこと。現在、24歳。人生二人目の彼女はまだいません。」
 綺麗なオチからの、theピーズの「実験4号 」という最高の選曲どん。最高でした。
 ネットストーカーの本領を発揮してしまい、ファイヤーダンス失敗さんの地元が、大学時代四年間暮らしていた県だということを知った。あの、『バナナムーンGOLD』でお馴染の節分になるとブースに乱入してくる鬼のお兄さんもということになる。

 これは今から10年ほど前の話であり、バナナマンは『WANTED』という番組をやっていて、僕は『ボーイズオンザラン』のVS青山戦と『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編を毎週立ち読みするだけのゴミ虫だった。  
 バナナマンの『WANTED』はこれが火曜日の深夜3時から5時という時間帯で放送されており、本当に誰か聞いているのかなと思いながら聞いていた。メールや、リスナーが電話で番組に出ていたにも関わらず。その前の時間で放送されていた、くりぃむしちゅーのANNを聞いている時はそんなことは思わなかったのに。この感覚だけは、SNSが発達した今の時代ではほぼ失われたのかもしれない。
 友達もいない、生きがいもない、勉強も頑張っていない、毎日がバイト先と家の往復でしかなかった大学生活まではファイヤーダンス失敗さんと共通しているのかもしれないが、それはハエと人間の遺伝子の大多数は同じものというレベルの話であって、東京にもいない僕は、構成作家になるために上京する勇気も、メールを送る根性もなかった。あまりにも未来のことや自分のことを考えていなかった。今改めて振り返ってみても、何の意味もない四年間だったと思う。
 時は流れて、今年の六月ごろに、伊集院光の『深夜の馬鹿力』の1コーナーに送るメールを考えてみた。一週間かけて考えられるだけ考えて、それでも30通くらいしか思いつかなかったけど、送ってみた。それを三週間ほど続けていたら、「ラジオネーム・・・・・・」とついに読まれた。『深夜の馬鹿力』を聞き始めて15年以上経って初めてのことだった。もちろん他のラジオでも読まれたことはない。ラジオネームは自分のもので、嬉しいと感情よりも、何とも表現できない気持ちが先だった。自分が考えたネタを伊集院光が読んでいるということは認識できるけれども、何を言っているのかはわからない。やっちまった、という感情の方が近いのかもしれない。もちろん、その後、一気に嬉しさが押し寄せた。その日は全く仕事が手に着かなかった。
 間違いなく、ラジオはメールを送らない方がノイズなく楽しめる。これは間違いない。フリートークが始まってしばらくするとそわそわしだして、送ったコーナーが始まろうものなら、もう気が気じゃなくなる。読まれなかったら、本当に落ち込む。
 でも読まれたら、信じられないくらいに嬉しい。50通近く送って読まれるのが1通だとしても、今週も頑張ってメール送ろうって気持ちになる。
 これでメールをバンバン読まれたら、大学生の俺も成仏出来るかなと思うものの、現実は全然甘くなく、まだ他の番組で読まれる気配はない。ひとつのラジオの1コーナーで一週間かかってしまう。考えれば考えるほどに、鈴虫食べ太さん、化け物だろと思ってしまう。
 まあでも、もう一つだけ間違いないと言えることは、メールは「読まれなかったのは面白くないと思われた」じゃなくて、「読まれたら面白いと思ってもらえた」ということだ。高校生のときに気付けばよかった。
 だから、これからもメールは送ると思う。
 あ、ラジオネームはまだ内緒で。年末のベストラジオあたりで発表して、驚かれるくらいになっているように頑張るために。

一目惚れさせる男、神田松之丞

 この人がその場所を選んでくれなかったら、と思うとどうなっていたのかと思うことがいくつもある。例えば、伊集院光がそのまま落語家を続けているが深夜ラジオをやっていなかったり、爆笑問題がコントを辞めずに続けていて漫才師じゃなかったら、SMAPがバラエティーに進出していなかったらなどだ。高崎聖子MUTEKIに行ってなかったら、というのもある。三上悠亜AKB48という看板を背負ってきた割には高崎聖子に喰われているなあとか、そういった意味ではやまぐちりこは攻守揃って最高だった。やまぐちりこには幸せであってほしいとか、そんな話は呑者家の末広通り店でレモンサワーを呑みながらやるからさておき、パラレルワールドを想像することは楽しい。だが、やはり、それは柱となる現実があるからこその添え物でしかないからだろう。
 兄弟子に頼まれてオーディションを受けたからとか、台本が覚えられなかったからとか、先輩の存在が大きすぎて敢えてそうせざるを得なかったとか、例えその選択がネガティブな理由によるものだとしても、それが結果論だとしても、その「人がジャンルを選んだのか、ジャンルが人を選んだのか分からない」状態は、それだけで物語となる。
 講談における神田松之丞が今まさに、そうだ。その神田松之丞がリリースした『松之丞 講談 -シブラク名演集-』というCDがとても良かった。
 『新世紀講談大全 神田松之丞』というDVDも出ていて、これももちろん良かったのだけれども、やはり落語や講談という演芸の性質上、視覚による情報がノイズに感じられることがあるのでCDの方が良い時がある。個人的には、生で見ていたとしても目をつぶって音だけを楽しみたくなる瞬間があるが、それはタイムマシーンのように、江戸時代にいるかのような錯覚に陥る最高にトリップできる時間だからだ。
 ちなみに、シブラクとは、サンキュータツオがキュレーターを勤めている「渋谷らくご」のことであり、そこのお客さんの良さも相まって、発せられている場の熱までもが、きちんとパッケージされていた。
 さて、いくつかの疑問が出てくる。講談って何だ、落語との違いは何だ、お笑いが好きで講談に興味を持っているという、ほぼ“いよいよだぞ”な状況に片足を突っ込んでいることに自覚はあるのか、などだ。そのぐらいには未知の領域だ。自覚はある。
 そこで、まずは、神田松之丞とは誰なのかという話からしたい。
 神田松ノ丞は、神田松鯉(しょうり)の弟子になり、2017年現在34歳の講談師である。メディアで紹介される際には「気鋭の」や「今チケットが取れない」と冠され、二つ目という位置ながらとてつもなく期待されている。

 神田松之丞が34歳でここまで注目されているということは、客からしてはとても助かる。年齢が近いということは、触れてきた文化だけでなく、世の空気感を少なからず共有しているということであり、これは伝統と現代のパイプとしてものすごく機能する。この場合の伝統と現代というのは、「講談と演者」であり、「演者と客」にあたる。
 つまり、我々と共通の認識を持った人が面白いと思ったものを、その人がさらに面白くして見せてくれるということである。
 次に講談と落語は何が違うのかというと、まず、原則的には演じる噺が違う。
 落語の演目についての説明や上方と江戸の違いについては省略するが、講談は、軍記や偉人伝などが演じられる。有名なもので言えば、忠臣蔵などであり、一度、江戸時代最強の力士である雷電為右衛門が初めて土俵にあがるというネタを見たことがある。
 あと、張扇(はりおうぎ、はりせん)を使って釈台(高座に設置されている台)を叩きながら、抑揚をつけながら話を進めていくのも大きな違いである。これがとても気持ちいいグルーヴを産み出していく。音源に何かを叩く音が聞こえるのはこのためであって、講談師の横で、ギャグボールを咥えてコックロックをはめて四つん這いになっている裸のおじさんの背中を叩いてるわけではない。
 演目の違いについて立川談志は、忠臣蔵を例えに出して、こう話したという。
「落語は忠臣蔵の四十七士じゃなく、逃げちゃった残りの赤穂藩士二百五十三人が、どう生きるかを描くもんだ。」
 逆説的に言えば、そういった人間のダメさ、間抜けさといったものは講談ではあまり描かれないのかもしれない。現代風に、かつ大雑把に言えば、ドラマとバラエティーといったところだろうか。どちらが勝っているかということではなく、単に描くものの違いだ。
 ちなみに、松之丞はもともとは立川談志のファンであり、そこから講談に入ったいったという。だからなのか、やはりと言うべきか、高座を聞いていると、業を肯定するような匂いが芬芬にしてくる。
 CDは二枚組で「荒川十太夫」「天明白浪伝~金棒お鉄」「天明白浪伝~首無し事件」、そしてボーナストラックとして「松之丞ひとり語り」が収録されている。
 「荒川十太夫」は、赤穂義士伝の討ち入りから数年後の後日談であり、「堀部安兵衛切腹介錯人を務めた荒川十太夫は、その際に堀部安兵衛に身分を問われる。低い身分だった荒川十太夫は、それでは申し訳ないと思い、身分を高く偽る。その後、堀部安兵衛の墓参りを続けていたが、ある日、偶然にもその身分を偽っていたことが自分の上司にバレてしまう」というもので、かなり地味な話だという。だが、美談であり、しっかりと聞かせてくる。
 「天明白浪伝 金棒お鉄」は「お金を貸した相手が病気になっていても元本の三倍にもなったお金を取り立てようとするごうつくな婆を長屋全員でやっつける」という話で、これは分かりやすく、落語チックだ。前半はシリアスでありながら、後半はドタバタになるから聞いていて楽しい。
 「天明白浪伝 首無し事件」は、モテない男が結婚するがその相手が首無し死体で見つかるという内容で、ミステリー仕立てになっている。まさに、聞き終わった後は、ドラマ一本見たような満足感をエルことが出来る。
初回では分かりづらかったりするかもしれない。でも、あらすじを調べてみたり、何度も聞き直すうちに、だんだんと話が追えるようになってくるはすだ。伝統芸能に触れる時はそういう壁は当たり前なので、別段ハードルに感じる必要は全くない。
 CDを聞いていて、ニヤリとさせられたところがある。「天明白浪伝 首無し事件」を演じたこの日は日曜日で、順番も最後だったのだろう。そのマクラで松之丞はこう話す。
「時々、(客席の空気から感じる)ニーズを受けてですね、あ、この噺やりゃ良いなってのが分かる。今日だったらね、多分ね、適当にね、5~6分ぐらい適当なマクラふって、芝居の喧嘩、これがベスト。みんなも疲れないしね。明日から月曜日だ、Twitterの反応だって良いでしょう。いやー良かった良かった、松之丞空気読んでるよ。分かってるよ。スカッとやって帰ってさ。いやー、良かったな、なんていう風になるのは目に見えてるんですよね。でもそこじゃないんだね。そこじゃない。そこ目指してもしょうがないんだね。」
そしてそれから結局、45分のネタを演じる。この意識の高さ、天の邪鬼さ。そして、そこで外さないという確かさ。このかましはなかなか出来ない。
 それだけじゃなく、インタビューも読むと、過激で敵を作りかねない発言をしてるのもよく見かける。それは、松之丞がプロレスが好きということにも起因するのだろう。
僕はこういうことをする人間にベットしたい。神田松ノ丞の藝は間違いなく、多くの人を一目惚れさせることが出来る力を持っている。
 今さら、ではなく、今から神田松ノ丞を聞き出すとしても、向こう40年はときめくことが出来ることが約束されている。

夏の思い出'17~食べ物編~

夏'17に食べたものをメモ。

熊本城にあるTENTEというフルーツ関係の甘いやーつのお店。メロンと生クリームと、サクサクの氷。
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大分旅行で食べたりゅうきゅう丼。刺身のぶつ切りの漁師料理。りゅうきゅうは、琉球で、でも大分の料理。名前の由来は、琉球の漁師から習ったからとか諸説あるらしい。要は船の上で食べるもので、お茶漬けにしてもいいらしい。

醤油とみりんとお酒を混ぜたものに30分ほど漬けたら簡単に作れるので、半額の刺身とかを買った時にささっと一味違ったご飯を食べられるという。一回やってみたら、まあまあ成功したのでレパートリーにします。

 
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大分旅行は、福岡経由で行ったので、前から行きたかったイカの河太郎というお店のイカ刺し。イカ尽くしコースで5000円。他にはイカのお寿司やらイカシューマイ、刺身の後は天ぷらになったりと旨かった。
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同じく博多でのラーメン。一幸舎というお店で、豚骨の匂いには馴れているけど、なかなか匂い強めに感じました。でもやはり旨い!

僕はラーメンを食べる時は基本的には、白米へのワンバウンド方式を採用したい派。ダイエットしてるので最近はやっていなかったけど、解禁しました。

ほんとは、博多はうどんも旨いんですが時間無しのため行けず。

 
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新宿にある、お笑いライブのデフォルトステージ新宿バイタスとかへ向かう途中のラーメン屋「新宿あご出汁ラーメンたかはし」。十時くらいに行っても結構並んでいた。

あご出汁ラーメンはやっぱ基本ベース旨いよ。

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設楽さんも感動した、新宿にあるりんご飴専門店「ポムダムールトーキョー」。

久しぶりに食べたけど、感動する旨さ。

新宿とは行ってもちょっと駅から歩くところにあるのだけれど、夜までやってるし、持ち帰りなら全く待たずに(プレーンだけたけど)買えるので、東京へ密航する度に行きたい。

この時は一時間ぐらい待ったので、男一人だとハードル高いかな。

友人と行ってバナナマンライブの転売状況の、高騰ぶりとか、対策しない会社はバカだとかを筆頭にずっとお笑いの話をしてました。
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博多の豚骨ラーメン「shinshin」。こちらは一幸舎よりは匂いのクセ弱め。どっちも一幸舎にするかこっちにするかは、その時の気分で決めたいところ。
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大濠公園の近くにある「おいしい氷屋さん」のコーヒーかき氷。やっぱり僕は、夏は、パフェより、かき氷派ですね。
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 こんなもんですかね。

時系列は下に行くほど古いです。

しかし、痩せたことによって旨いものを食べまくることへの罪悪感が無くなったのはデカイ。

最近よく、コスパの良い回転寿司屋さんをTwitterで見るので、今度はそこをメインに行ってみたいなとかように思います。

まあでもレモンサワー飲んだら終いよ。


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