石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

世界はどこまでもクソ野郎だし、敵だろうがよ。

ゆず岩沢厚治の作詞作曲した歌だけをプレイリストにしてそればっかりを聞いている。初めてゆずの「夏色」を聞いて中学生のころはどっぷりはまっていたのだけれど、そのころから岩沢が作詞した歌から滲み出る諦めとか切なさみたいなものが好きだった。「方程式2」の「君が例えばこの先誰か好きになっても何も変わりゃしないさ」、達観というか、何かをやったって特に劇的に変わるわけでもないし、みたいなそんな歌詞が大好きだったんです。大好きだからこういう性格になったのか、こういう性格だから大好きになったのか。
で、最近、自分がゆずにどっぷりはまっていた頃のゆず二人と同世代になって、社会人ぶって初めて、より岩沢歌詞が染みてくるようになった。
最近では、仕事もある程度一周して、大きなミスこそ少なくなってくるようになって気も抜けているような心境とも何となくリンクするような感じになっていたんです。
社会的なことでいうと、地震があって日常に戻ってる自分って何なんだろうなとか思うと同時に、「3.11以降」で小銭を稼いでる評論家とかに最初はぶっ殺してえなって思って苛々していたんですけど、それすらどうなるわけでもないから、もういいやってなっていて。
一方でゆずの「友達の唄」のカップリングの「待ちぼうけ」という歌の中にある「昨日の不安忘れないように/いつかの怒り消えぬように」という一節をやたらと反芻したりしてる。「怒る」っていうのは、頭ん中にエネルギーがあるからで、情報や嫌いなものを遮断して「怒らない」ようにするってのもそれはそれで健全じゃねえかもなってことを考えていた。ファックザ世界、ファックザ政治家、ファックザエロ本に青いセロハンを貼ろうと言い出した奴って思ってないと駄目なんだよ、きっと。分からんけど。東電の社員にボーナスが出たことに対してムカつくべきで、Green dayじゃないけど敵は知るべきなんだよ。
The mirrazというバンドがいて、このバンドはArctic Monkeysという洋楽のバンドのサウンドと手法をパクって出てきたバンドなんだけど、最初にyoutubeか何かで見た時にその歌詞に強く惹かれた。どんなものかというと、最近の流行歌のように固有名詞を排除した書割のような歌詞とは比べ物にならないほど、vo,で作詞作曲を担っている畠山の個人的な感情が歌詞カードをびっちりと埋めるほどの文字数で、音楽業界への苛立ちやら、パクリって言われたことへの回答やらを書き連ねられていたり、スタバやワンピースとかの、サブカル的なワードじゃないあくまで畠山の身近にあるものをどんどん登場させていくというもので、そんなthe mirrazの歌詞がとても好きで新作が出るのがうれしいバンドの一つだ。で、「怒り」に対して考えていくとこのバンドを思い出す。
彼らは、世の中に形はないけれど確実に存在する、漠然とした「空気」を「日常」で破壊しようとしているようなバンドというイメージで、先日出たアルバムのタイトルは「言いたいことはなくなった」だった。今までの魅力のひとつだった、畠山の個人的で、詰め込まれまくった歌詞はなくなっていて、「君に会いたい」という言葉が目立った。
The mirrazは世界から目を逸らして、セカイに逃げたのか?という気持ちになった。それが、このアルバムを初めて聞いた時に感じた違和感だった。初期情報のタイトルだけを見たときは、にやっとして、時代にそういうアプローチをしてくるこのバンドがやっぱり好きだと思ったけど、やっぱり、今は黙るべき時じゃないじゃねえかなという気持ちになった。確かにムカつきすぎると、もういいよ、おめーには何も言わねえみたいな気持ちになって、ぶんムクレたくもなるけど、今は言うべきだろうなと思った。
Vo.で作詞を担当している畠山の、今に対する言葉をまだ聞きたいという想いの方が、新作を聞くことよりも上だったという話で、昔の方がよかったとかそういうんじゃなくて。俺だって言いたいこと沢山出てきたからブログ再開したってところあるけど、もう言いたいことなんて何もないからブログやってるって気もするから、実際のところよく分からない。
とかく「負の感情」とかってさらけ出したら負けで、ださいみたいな風潮があって、生産的じゃないって言われがちだけど、中指は立て続けなきゃいけない。「駄々をこねる」のが子供だとしたら「怒る」ってのは大人のもんだ。店員とかに怒鳴ったりするバカ、あれは「駄々をこねる」で、あいつらは来世で店の前にある脚ふきマットになるんだけど。
四六時中怒っていると「子供かよ」って感じになるけど、そうなったら、「うるせー!!前年の収入少なかったから微々たるもんだけど市県民税払ってるから大人だよ、ダボ助が!!」って怒鳴り返してやろうと思います。