君も今日から、乗っけよう!落語初心者問題でのライフハック!

「お笑い好き」や「お笑いを語る」うえで、一つ重大な問題がある。自分は立体的に見ている、きちんと理解したうえで見ているということをアピールする、所謂「乗っける問題」だ。
特に、ベタでありながら、かなり有効なのが「落語に詳しくなる」というもの。個性のみが重要視され、サブカルキーワードを抑えているような人間じゃないと、このポストモダンを生き抜くことはできないわけですから、自らのアイデンティティに何かを乗っけることによって、他のクラスタに差を付ける。現代社会に生きる僕らの興味は、「乗っける」ことか、FXで一山あてるかのどっちかです。
ただ、その前に「乗っける」にはどうすればいいのか。「落語って何から聞けばいいのか分からない問題」がそこにある。そんなもん、TSUTAYAにコーナーあるんだからそこで片っ端から聞けやという感じはあるのだが、現代人は忙しい。意訳しまくって煽動的なタイトルにされたまとめサイトのニュースのタイトルだけを読んで、義憤に駆られるくらい忙しいし、何より、twitterで「飲酒運転」と検索したりしないといけないので時間が足りないんです。
例えば、よく初心者にオススメされるのが古今亭志ん朝だ。志ん朝の声は、とても通って聴きやすく、話の流れも理解しやすい。笑いどころもわかりやすい。色々聞くと、ドラマや映画のように泣けたりするようなものもあったり、現代コントにも通じるシュールな設定もあったりと、単に笑えるものというだけじゃないということが分かる。そういう意味では、志ん朝を最初に聞くことも、勧めることを正解なのである。
ただ、どこかで軽さがあり、「落語的」というイメージもある。
落語を好きになるには、音源が沢山出ていて、手軽に手に入るかどうかというのはとても大きな分岐点となる。
一般的にTSUTAYAや、公立の図書館にもCDは置いてあったりするんだけど、借りやすいのは、桂枝雀古今亭志ん生古今亭志ん朝立川談志。個人的な感想としては、枝雀はBPMが速すぎて、志ん生は滑舌も悪くもごもごして聞き取りやすいとは言えない。そして、立川談志イデオロギーのえぐみが強すぎる。
それらを踏まえた上で、「落語初心者は誰から聞けばいいのか」問題に対して、回答をするなら「昭和50年頃の立川談志」となる。
画家の山藤章二は、「きっちりとした風景画を書いていた人が、だんだん変化して<<泣く女>>みたいな抽象画を描くようになった」として「立川談志ピカソの様だ。」と評する。
だからこそ、背景や文脈をある程度抑えておかなければならないし、「破壊」を楽しむという意味でも、初心者には向かない。ただ、昭和50年ほどの談志は、イリュージョンと言い出す前であり、ギャグの切っ先も鋭く、声の張りもあり、聞き取りやすいので素直にオススメ出来る。ネタとしては「源平盛衰記」「らくだ」「鼠穴」「芝浜」「野晒し」「居残り佐平次」「饅頭こわい」あたりが鉄板となるので、これらを聞いて、君も「乗っかってるライフ」を充実させよう!!