「2013年のラジオたち、これからすごいことになるぜ」

春日のタンクトップを破り「俺たちは変わるんだー!2013年新生オードリーの誕生だあああ!ぼかあああああん!!」というクレイジーな宣言で始まった、2013年のオードリーのANNからは彼らがギアを入れ替える音(破れたタンクトップから見えている右乳首をさする音ともいう)が聞こえた気がした。そのあとに、若林がフリートークを始めたのだけれど、それはひとりの職人さんについての話。
オードリーのANNでも常連中の常連のハガキ職人にツチヤタカユキという方がいる。

彼の高校生活は、「人間関係不得意」という気質のせいであまりにも暇だったので、その退屈を埋めるために「朝大喜利のお題を50個ほど考えて、1時間目から6時間目まで解き続け、誰がやるでもなく、誰に見せるわけでもない漫才やコントのネタを書き続け、120本ストックしている」というもので、春日も「やべーやつじゃねえかよ!」と笑う。
どうしてツチヤタカユキの話が出たかというと、話はアメトーークのプレゼン大会で、若林が「ラジオ芸人」をプレゼンしたさいに、「こんな職人がいる」というトークテーマを例題として出し、その時に、ツチヤの名前を出したことに遡る。
その頃から「すごく面白くて、作家になりゃいいのに」と思っていた若林は、連絡を取ろうと思うのだけれど、twitterもblogもやっていないツチヤと連絡を取る術はなく、その前にも一度放送内で「ツチヤってどんなやつなんだろうな」と話題に出た際にも、「人間関係不得意」とだけ書いたメールを送られてきたので、「作家とかにはならないのかな」ともなっていた。
その後しばらくして、その彼から長いメールが番組宛のメールを通して若林に送られる。そこには、前述した高校生活のエピソードのことや、アメトーークで名前を出してくれたことだけで胸がいっぱいになったということが書かれていた。
話はここで終わらない。若林はそのメールに返事をして、「そういう仕事(放送作家)をしてみたら?」とそれとなく誘ってみるも、「人間関係不得意なんで」とそっけのない返事。それでも「なんかおもしれえな」ということで、交通費宿泊代を出して、夏に行われた「たりないふたり」の単独ライブに招待する。
ライブが終わったあと、どきどきキャンプ佐藤満春と食事をしていると、ツチヤを呼んでみるかという話になり、新宿のファミレスで合流をする。
「絶対、知ったこっちゃないし。ツチヤの人生なんて。」と若林らしくドライに言い放つも、それでも自分に出来る最大のこととしての「放送作家の仕事もしている、どきどきキャンプ佐藤を紹介する」というお膳立てをしてあげる。この一連の流れはまさにビートたけしイズム。
そうして、ツチヤは上京を決意する。それが昨年の暮れの話。

若林が言うように、ツチヤさんが作家としてどうなるのかは分からない。けれども、その世界のいいところは、やべーやつでも、好きで好きでどうしようもなくて、不器用だとしても真摯に向き合えば、人生の突破口が見えてくるところだ。
そして何度か訪れるかもしれないし、もう訪れないかもしれない、生きててよかった夜の話を、ツチヤタカユキの視点で聞くことができるってだけで、なんて希望があるんだろう、そう思った。

オードリーのANN2013年一回目の放送だけじゃない。
1月3日の「OKAMOTO'S ハマ・オカモトのラジペディア」での「ダウンタウン浜田雅功との親子対談」、1月4日「極楽とんぼ加藤浩次 Wanted!」、1月5日「アルコ&ピースのANNR」と明けて早々に、全部が2013年のベストラジオに食い込んでもおかしくないような放送が続いた。

OKAMOTO'Sのベース担当のハマ・オカモトは、ダウンタウン浜田雅功の息子。実の息子であるということを公表するのは初めてとのこと。ただネットで見かけた言葉で笑った「浜田より浜田」でみんなが納得するくらい、容姿は浜ちゃんそのもので、その意味では隠せないほどで、このこと自体は知っている人は知っているという話題ではあった。
何故このタイミングで発表、対談に至ったかというと、ダウンタウンが今年で30周年を迎え、自分たちのバンドもアルバムを3枚出していてフェスに呼ばれたりと順調であり、そして自分がラジオをやっているというタイミングが重なったからとのこと。
話自体は、「浜ちゃんが大阪のライブに当日券でふらっと見に行った」「中学一年の郁未(ハマ・オカモト)に、ゴルフのカートを運転させて死にそうになった話」「お互いの仕事の話は年に一回、『今年のガキの大晦日、何やるの?』と聞くくらい」等、プロ同士、親子の会話といった境界線をふわふわと漂いながら、とてもいい距離感を保っていく。
特に「高校生くらいのころに、食事中に何となく『音楽で食うていこう思っているの?』と聞いた浜ちゃんが、ご飯を食べる手をぴたっと止めた郁未に『そんなに甘くねえよ』と言われた」という話が良かった。「うわ、ちょっとキレてるやん。」「俺、あの時のお前の顔忘れへんからな!」ってのがすごく良かった。
「春はまだか」「ラブレター」と浜ちゃんの歌を流していたのだけれど、その曲よりもその合間に流れたOKAMOTO'Sの「Oh!Pretty Baby」にぐっときた。
Twitterで見かけた「松ちゃんが『夢逢え』で短冊に書いた言葉は『郁未死ね』で、浜ちゃんが笑いながら『あいつまだ5か月しか生きてないねん』と返していた」という書き込みで、その20数年かけたフリがいろんなタイミングが重なって生きた夜がこの日だったんだなと錯覚せずにはいられなかった。
「来年も来てくれますか」に対して「来年も番組が続いていたらいいですよ」と笑いながら答える、浜ちゃんは本当にいい父親なんだなって思った。

満を持してTBSラジオに帰ってきた極楽とんぼ加藤浩次「Wanted!」。
加藤浩次の「俺ねえ、このねえ、いろいろ日頃溜まったねえ、ストレスをねえ、このラジオでねえ、発散したいんだよはっはっはっ!」に対して、「ふふふふふっ」と笑う放送作家工務店
これだぜ!狼煙があがったぞ!!
そこから「嫁の全力疾走を見てから結婚したほうがいい」という家庭の話に、ああ、これが聞きたかったんだなあって。3ヶ月という短い期間だけれども、本当に楽しみ。カチさんお帰り!

THEMANZAIで優勝したハマカーンに勝るとも劣らないインパクトを残した、アルコ&ピース、3回目のANNR。
もはや、レギュラーのようなOPトーク、THEMANZAIの話。特にTHEMANZAIで二本目のネタを同じようなネタをしたのは、テリー伊藤の「あのあと、二本目きついよー」って言葉を受けて、「THEMANZAIはいい意味でお祭りみたいなところあるから、『また、同じようなネタじゃねえか!』ってなってそれもアリになってくれるんじゃないか」ってことに賭けてみたと。結果、その賭けには負けた形になったけど「テリーさんの言葉がなかったらもっとズルズルに滑っていたと思う」といった、「二本目問題」について話していたり、かと思えば「今年最初のしくじったことは?」というメールテーマに、「餅を食べ過ぎて3kg太った」という酒井さんに、「これは悪魔の仕業、蝿の王(ベルゼブブ)の仕業だよ。」と言い出し、悪魔からのメールがどしどし届く。そして4時に平子さんが悪魔になり、悪魔語を喋りながら、一部の地域とお別れ。そのあと、ニッポン放送での放送が終わる4時半には、酒井さんが悪魔になりお別れ。
安定して狂ってるアルピーのANN、4月からのレギュラーを希望しますよ、ニッポン放送さん!

とまあ、本当に、年始からラジオがグツグツに熱いわけで、2010年以来の豊作の年を予感させる今年は、いつも以上にラジオから耳が離せない年になると思います。