ベストラジオ2017(2)5~1位

昨日の続きです。どぞ。


5位 『エル・カブキANNR(17.02.25)』

 

 2016年10月の『決戦!お笑い有楽城』で優勝したエル・カブキはその時に、ANNRのパーソナリティー権を獲得していたが、しばらく音沙汰のない日が続いていた。その結果、4ヶ月後に放送された回。AVメーカーのMOODYZの名物企画に『一か月の禁欲生活』というシリーズがあるが、エル・カブキファンはその比じゃない位待たされていたということになる。あの企画が本当に禁欲しているかどうかということに対しては、議論の余地はなく「それを楽しめないならAVを見るな」なわけなのだけれども、この放送も、じらされてじらされて上がりきったハードルをなんなく飛び越えるくらいに面白かったということは議論する必要が無い。
 それはエル・カブキの二人、特にエル上田も同じの様で、パンサー向井の名前を出した後に、「チーターの水前寺清子さんじゃないよ。パンサーの向井さんが。初代タイガー佐山聡さんでもないですよ」というように、相変わらず躁病患者の独り言のような、一人というには文字量が多すぎる言葉の速射砲で間を詰める様は、まさに古館伊知郎イズムにまみれた、放送事故になったら人質の命が奪われる人くらいに喋り倒す。
今更、数年前の『アルコ&ピースANN』で話題になった「平子年齢詐称疑惑の話」から、ライブで撮影に使用した女子高生の制服を「キングオブコメディ高橋さんの忘れものじゃありません」と意を決してボケたのに、磁石の二人がツッこんでくれなかった、でも磁石は好き、という話まで、準備してきたトークからその場で飛び出したネタを、アメ横のたたき売りばりに話していく。
 番組冒頭に、その昔、二人が敬愛する爆笑問題がANNをやった時の第一声が「たけしは死にました」だったということにひっかけて、「太田光は生きてます」にしようかとしたが、少しの勇気が足りずに、出来なかったという話も良い。
エル上田が言うとおり、「(エル上田を泣かせるために募集した)泣かせメールのほうは皆さんの力不足で跳ねませんでした」というハプニングはあったものの、二時間走りきっていた。藤原さんという名前が出た時に、エル上田が「カールゴッチ」とつぶやいた時は、『1984年のUWF』を読んでいて良かったと思った。
ちなみに「俺らラジオとかたまに出させてもらってるじゃん。その時にさ、だから実は沖縄から出待ちしにしてきてくれた人がいるのよ、去年。沖縄とか広島から見に来てくれて、都内に意外とファンがいないっていう、俺ら知らない間にドーナッツ化現象があるんだけど、こういう漫談ってどう?」と一部地域とのお別れになる、ラスト三分にねじ込まれた、この沖縄のファンっての僕です。

 

4位 『ウエストランドのANNR(17.06.24)』


 タイタン所属の漫才コンビウエストランドがANNRのパーソナリティーを担当した回。
 ウエストランドは二人ともお金がないとのことだが、そんなお金のない二人の「『ABCグランプリ』の準決勝に出演するための大阪出征」トークは哀しくも笑える最高のものだった。井口は冒頭で、せっかくこんな場をもらえたのだからリスナーの価値観を変えるラジオをやると豪語していたが、その後のトークでは「結局お金がある方がいい」という確認してしまっただけだった。
 そもそもウエストランドが、お金がないのは、その芸人としての位置にあるという。
井口は、「ちょうど賞レース準決勝とかで落ちるようなレベル、たまに深夜のテレビに出てますよくらいの芸人。そうするとライブのオファーは結構ありがたいことに入って、ライブで埋まってなおかつオーディションが急に降られたりするでしょ。突然のオーディションに対応するためには、バイトもどんどん出来なくなる、そしてバイトを一回辞める、その時すでに三十を過ぎている、そうなるともうバイトを始められない、そうなるとほんとにお金がない、そういうことになってくるわけですよ。何も払えない。」だと説明する。
 奥さんがいる河本には少し余裕があるようだが、独身の井口はかなり厳しいようで、家賃も滞納し始めているという。家賃の取り立ての人と「来月の給料で、ひと月分の家賃と滞納分の一部合わせて七万円を支払います」という約束をしたが、いざ給料日になったらその月の給料が六万だったという。愕然としながらも、そのことを取り立ての人に伝えると、怒られるどころか逆に「ちゃんと食べれてますか?うちの関連会社のNPO法人で、ご飯提供するサービスもありますんで、そちらどうですか?」と言われたという。「僕、炊き出し紹介されたんだよ!」と井口は嘆く。
他にも水道を止められたので、公園の水道で顔を洗ったことを話す。「もうそういう人ですよ。」「彼らじゃん」のやり取りはつらい。
 そんな時に、ウエストランドの二人は、『ABCグランプリ』の準決勝に参加するために、会場がある大阪に行く必要が出来た。大阪に自腹で新幹線で行く後輩もいる中、二人には大会が用意した深夜高速バスに乗るという選択肢しかない。
ウエストランドは、ほぼ芸歴が一番上なので、同乗している他の芸人に気を使われてる感じがする。実際、同じくらいの芸歴のラブレターズも同様に、バスは満席だったにも関わらず、溜口の隣は空いていたという。
 トイレ休憩によったパーキングエリアでは、suicaに1,200円と現金が何十円かくらいしかないので、井口は「後輩に捕まると、奢ってくださいよというか、奢らないといけない空気になるから足早にトイレに行って、あのパーキングで過ごす15分誰にも見つからないようにように。そうしないと奢ってくださいよってなったら、いや待ってくれって話になりますから」と話す。
何回目かの休憩の時に、井口は喉が渇いたので、少し奮発して250円のココアを買ったにも関わらず、不幸に見舞われる。
「バス着いて、まあ、窓際の席に座ってましたから、そこに座ろうとした瞬間、手が滑ってココアが全部こぼれて、せっかく250円も、250円もすんだよ!250円てめちゃくちゃでかいですよ。」
 その上、一番後ろの席に座っていたために、どんどんココアはバスの廊下を進んでいく。そのことに気付いた全く関わりのない後輩に「ココアこぼれてるよ、なんだよ!」「ココアくせえな」と言われる始末。最後に運転手に「全部ちゃんとふけ!」と怒られたという。
 河本は河本で、胸に忍ばせておいたウイスキーのボトル瓶を呑んでいたので着いたらべろべろだったという。
 0泊三日で大阪まで行って「しっかり落ちていた」という、このまま、フラワーカンパニーズ「深夜高速」が脳内で流れたくらいに哀しい話でした。
 これは余談ですが、4位のエル・カブキのANNRとどっちが面白かったかということを凄く悩んだんですが、ウエストランドは二人の掛け合いが心地よかったという点、「キャンプファイヤーふとし」のコーナーが良かったという点においてほんと、僅差でこっちでした。これは好みです!
 そしてこれは関係ないですが、最近賞レースで審査員が「好みです」という言葉を使うことに関して、審査員ならもっとちゃんと技術とかを説明してほしいって怒る人がいるんですけど、審査員というのはその道のプロ中のプロなので、そういった人達の、好みが知れるという一点でも、僕はその言葉は賛成です。

 

 ベストラジオ3位の発表の前に、ラジオリスナーとして捨て置けない私的なコアの部分を刺激されたコアラジオを紹介したいと思います。もちろん、「次点」を格好良く言っているだけです。
 『アルコ&ピースDCG(17.09.05)』の「平子の家族旅行」なんかは、その前の免許を取るから繋がっているだけでなく、その話の中でも、いくつも展開があって、かつその後綺麗にまとまったりして良かったです。
 今年聞いたラジオの中で随一にくだらなくて本当に笑ったのは『伊集院光 深夜の馬鹿力(17.9.25)』の「マルサの内偵」の回。伊集院が雑誌で国税局の査察の苦労話について書かれた記事で、風俗店が収入を過少申告するために使う手口の一つに「普通のサービスで得た料金以外に、オプションの料金を帳簿に載せない」というものがあるということを知る。そこに書かれていたのは、国税局の局員は、そういったことをしている疑いのある風俗店に行って、オプションを相当頼み、そうして、査察の時にオプションの料金が帳簿に記入されていないということを指摘するという。
その時のやり取りを伊集院が、「国税局だ。査察に入りました。帳簿見せて見ろ。この日全員、誰ひとり、オプション頼んでる奴、うんこ食ってる奴ひとりもいねえな。誰もやってねえなって。全員オプションやってねえなって言ったら、それを後ろのところから多分、客になって行った奴が、僕に見覚えはありませんか!あの時、パックパクうんこを食っていた私ですよ。うんこ食いフィー23,000円払ったはずですが、しかも四日連続でねえ!帳簿に載っていませんが!これ俺の作ったやつね、今のところは。」「領収書に書かれているこのUK、うんこっ食いですよね」と妄想する。
僕はもともと伊集院さんの「うんこっ食い」という、そばっ食いみたいに言うのが好きということもありますが、それを差し置いても、迫真の演技でそのくだらなさにリアルさを持たせたこの正味5分ほどのトークは、本当に最高だった。
 ちなみに『日村ゆく』で知ったのですが、本当のうんこっ食いは抗生物質を食べているので良い子は真似しない方がいいです。多分死ぬ。
 『オードリーANN(17.08.05)』は普通の回なんですが、若林がご機嫌なのか、終始、春日の家族をいじるという放送で、ただただ笑いました。笑いの量では一番かもしれないです。
 
 3位 『爆笑問題カーボーイ(17.07.25)』「キング大集結SP」

 

 『爆笑問題カーボーイ』は2006年から、年内最後の放送に、その年に活躍したメール投稿者五人が争う「メールNo.1グランプリ」というのを行っている。そして今年は番組の放送開始20周年というアニバーサリーイヤーでもあるということで、「メールNo.1グランプリ」のチャンピォンと一緒に公開生放送が行われた。
会場は、冒頭の挨拶から声が裏返った田中に爆笑、モデルガンを発砲する太田に大興奮と異様な熱気に包まれていることがラジオを通しても伝わってくる。
 歴代キングが、一番読まれて嬉しかったメールを紹介する中で、RNステイゴールドさんがCD田中のコーナーで殿堂入りを出した回をあげる。その殿堂入りかどうかを決める当人である田中が、ステイゴールドさんに向かって「でも、殿堂入りって嬉しいもんでしょ」というと、太田に「自画自賛だな、自分の作った賞に対して」とつっ込まれる。すると田中は「めったにないじゃん!」と返す。それは過去に田中が太田に馬鹿さを責められたときに発した「俺が馬鹿なんじゃない、俺の脳が馬鹿なんだ」を彷彿とさせた。
 そして、RN公園のロケットさんが嬉しかったメールが「もしも猫が人間並みの知能を持って、人間と争うようになったら、田中さんはどちら側につくんだろうか」というもの。それは実は、田中の「人間と猫が戦争したら、猫側につく」という今でもバラエティで聴く話のきっかけになったということが発覚したりしたところも驚きだった。
あと、有名人リスナー枠としてゲストに出ていたケイさんこと相席スタート山崎が、歴代キングの中で誰が好みか訊かれた時に、個人的に仲良くさせてもらっているRN犬大丈夫さんを選んだことも、嬉しかったです。RN犬大丈夫さん、しゅっとしてるんだよ~。
とまあ、リスナーになって17年ほどですが、聞いていて幸せな気持ちになった放送でした。

 

2位 『バナナマンバナナムーンGOLD(17.04.22)』「ラジオコントSP」
 衝撃度合いでいえば、今年一番だと断言していい、実質一位のバナナムーンでのラジオコントSP。あの生粋のトンコ職人であるバナナマンが、ラジオコントをやる。まさに大事件。
 この日の放送はバナナマン設楽の誕生日の週ということもあり、毎年恒例の、同じく誕生日で友人の森山直太郎が電話越しでバースデーソングを歌い出すも何がしかに邪魔をされるといういつもの茶番が繰り広げられている中、今年は、三浦大地がスタジオに登場して歌いはじめたり、森山直太郎が歌う「さくら」に合わせて三浦大地がダンスするということもありつつ、スタートから盛りだくさんの内容になっていた。
番組開始一時間ごろに始まった、ラジオコントには東京03からはお尻を舐めたげない方の飯塚、角田が、さらに、チャランポランタンのももと小春二人が参加。ラジオコントはバナナマン二人の声が若い、昔の音源を流した後に、カッコいい音楽が流れる。それからは、ほぼ新作という豪華さ。まるで、昔のフジテレビのコント番組を見ているかのように矢継ぎ早に新作のコントが繰り広げられていく。
聞き終わった後は、「これこれ、『ペポカボチャ』に到達する前や『シャブリナコメディ』みたいなこの、どろっと濃くて、しつこくて陰湿な、でもどこかカッコいいコント。この空気がきっかけでバナナマンのことを大好きになったんだよ・・・・・・」と噛みしめていた。
 翌週は、バナナマンの二人は、「(先週のラジオコントSP)割と、聞いたって言われて。評判良かったんですけど」「ヒムペキグランド大賞とかああいうのは恒例でやっているけど、まあ、年に一回、二回、恒例にやってもいいのかな」と振り返っていたのも嬉しかった。
 余談だけれども、今年のバナナマンの単独「Super heart head market」がここ数年でも出色の出来栄えだったのは、このラジオコントSPがいい具合に準備運動としても機能したのではないかと思っている。
 ところで、番組10周年イベントってどうなったんですかねえ。100円玉貯金して待っているんですが・・・・・・。

 

1位 『伊集院光 深夜の馬鹿力(17.06.27)』「初めてネタメールを採用された」

 

 ラジオはもっぱら、聞く専門で、これまでに少しだけ何回かネタメールを送ったことはありましたが、採用されることは特にありませんでした。それが何故か、今年の下半期に入ってから、ちょっと真面目に取り組んで見ようという気持ちが湧き、ネタメールを書き始めました。ネタを投稿すると言えば、高校浪人をしていた時、一回「爆笑問題カーボーイ」のCD田中へハガキを書いて送ろうとしたこともあります。その時は、急に恥ずかしくなり、ハガキを、コンロで火をつけて燃やしてしまいました。もしその頃から我が家のコンロが、電気だったら、それが採用されていたら、
そんなもしもに思いを馳せつつ、そこから、17年の時を経て、その自意識の呪縛はいつの間にか無くなっており、「読まれないということは全否定ということではない」「読まれたら御の字」という当たり前のことに気付きました。
 とりあえず一番考えやすいことに加えて、好きなコーナーの、深夜の馬鹿力の新勝ち抜きカルタ合戦改のコーナーに送り始めて三週間ほどして、ついに読まれました。その時のことを思い出すと、今でも高揚してしまいます。
 「ラスト、ペンネーム電柱理論。ろ、六本木心中を熱唱しているオネエに、『勃ててる、勃ててる、おちんちん!』とコールを入れていたときに入っていた、母親からの『お父さんが倒れました、早く帰ってきてください』という内容のメールに気付かなかったのはなんでだろう。ん~、今思えばね、後悔先に立たずだからね。」
 伊集院光が自分のネタを笑いながら読み、構成の渡辺君も笑ってくれたという、これが生まれて初めてラジオでメールを読まれました。
 それからも一喜一憂、という言葉を超越したような感情を抱きながら何とか投稿を続けられている。『爆笑問題カーボーイ』と『ハライチのターン!』でも読まれた。
 「ハライチのターン!」では、ハライチの二人が結構笑ってくれただけでなく、自分のネタを自分ではまったく考え付かない角度で膨らませて、プロってすげえを実感させられた。馬鹿力での「熱が40度あるせいかベージュの洋服でニュースを読む市川沙耶がおっぱい丸出しに見えるので病院に行くのはユアタイムが終わってから」は、伊集院さんがくみ取ってくれたという気持ちで本当に嬉しかった。

 来年は、馬鹿力で「絶好調!」と言ってもらうを最大目標にしながら、カーボーイの投稿増やして採用を増やす、死んでもやめんじゃねえぞを始めとしてその他のラジオでもなるべく投稿することを目標に頑張ります。とりあえず、今年の7月の初採用からの一年は続ける!
 以上が2017年のベストラジオです。

 今年アベレージが一番高くかったのは『オードリーANN』で、毎週楽しみだった。

 全く意味のないやりとりや、若林の春日の父親バッシングに腹をかかえて笑わされたかと思うと、「ワイルドスギちゃんとの思い出(17.12.10)」のような映画みたいに何となくじんわりとした気持ちになるトークも聞けて、本当に良かった。
 『バナナマンのバナナムーンGOLD』は相変わらず、想像が全くできない「ホールインワンを出す」みたいな事件もあったりするわけですから、こっちはわくわくするという。
 ちなみにワーストは、「熱海五郎一座」という舞台のCMを聞いていたら、Take2の二人が、別日に同じ役を演じるという、不仲説の真相が行間から漏れまくってしまっていた、今更不必要に僕らの心をざわつかせたものかにしようかと思ったんですが、審議の結果「番組ではない」という結論に到達したため、今年のワーストは繰り上がりで「藤岡みなみのおささらナイト」で、「藤岡みなみが結婚をさらっと報告をした回」になりました。
 そのぽっかり空いた心には、何となく、聞いてみた乃木坂46の新内眞衣がすっぽりと入っているわけですが。今回はベストラジオには惜しくもランクインしませんでしたが、新内眞衣のANN0はとても良いです。一週間に何本もラジオを聞いていると、さすがにちょっと今はラジオを聞くというテンションじゃないなって思う時があるのですが、そういう時にこのラジオを聞いたりします。何を言っているのかわからないかと思いますが、分かる人にはわかる感覚だと思います。
 来年も超おもしろかっこいいラジオがあると良いですね。よいお年を!