『ガゼッタ・デロ・オワライーノ』~『オードリーのANN ゲスト:くりぃむしちゅー上田晋也』感想~

俺「へー、闇営業に参加していた芸人たちが謹慎か~。そんなことより、ガゼッタのサイト見よ。今日の特集誰だろ。」

ガゼッタ・デロ・オワライーノ』「今回、本誌は6月16日に『オードリーのANN』にゲスト出演したくりぃむしちゅー上田晋也に注目した。この日の放送は、番組開始から500回目という節目の回であり、そんな記念すべき回に満を持してゲスト出演することになっていた上田晋也であったが、そこにはひとつの課題があった。それは、上田は、番組放送開始の五分前まで、日本テレビの生放送に出演しているという物理的な壁である。そのため、始まる前から、観客からは、上田はラジオに間に合うのかと懸念する声が聞こえており、あわや不穏試合になるのではないかという下馬評まで聞こえてくる始末であった。しかし、そこは、高校生のころ、豊島公会堂にギャグコレクションというライブを見に行ったほどの年季の入ったくりぃむしちゅーファンのオードリーの二人。上田のために、「500回記念にも関わらず、スポンサーからしか花が届いておらずリスナーから花が届いてこない」話をし、そこから上田が花を持ってきてくれるだろうとつなぎ、場をもたせる。そこから春日が、「上田は1時13分には到着するだろう」と大胆な予想を披露。その中で、ハンチング上田というワードも出し、ピッチを温める。しかし、番組開始から17分が経過、予想していた13分を大幅に過ぎてもなおピッチに上がってこない上田に対して、ここぞとばかりにオードリーは攻撃をしかけはじめる。春日の「遅刻だね」というパスを受けた若林が、会見に遅刻したメイウェザーにひっかけた「メイウェザーやってんのかな」「メイウェダーというか」と返すという見事なパス回しを見ることができた。
第一クォーターも終りかけ、観客も上田は来ないのかもしれないと思いはじめた番組開始28分でようやく、上田晋也が登場する。これまでの劣勢をとりかえすように、「どうも、メイウェダーです!」という第一声、オードリーの「花を持ってくる」というやり取りを受けての「枯れた花ねえかって探してたんだよ。日テレの周りを。造花はあったんだよ。」「Goingのスタッフにおばちゃんがいたんだよ。おばちゃんを枯れた花として持っていこう。いや、これ失礼だろってやり取りしてたんだよ」と、前半のオードリーのトークに絡めたゴールに加えて、「お前らの好きなハンチングだけかぶってきたんだよ」と5分もたたないうちに三点を奪取。あくまで、気軽に来たよというスタンスを見せながらも、そのゴール全てがしっかりとオープニングトークにひっかけたものであるという巧みなボールさばきは、今思えばその後の試合の展開を予想させるものであった。
しかし、そこはラジオというメディアにブランクがある上田、大好きなオードリーを前にした『ビバリー昼ズ』での高田文夫のように、かかっているだけではないのか、すぐにへばるのではないかと思わされたが、そんなスタミナへの心配は杞憂へと終わることとなる。間髪いれず、爆笑問題の太田からの「若林、女子のソフトボール選手みたいだよな」という伝言を言うも若林に「それ受けた事ないのに、ずっと言われてるんですよ」というスルーパスまで披露し、その攻撃の手をとどめることはないまま、第二クォーターを駆け抜けていった。上田ひとりのオフェンスが終ると、続いては、オードリーとの攻防が始まる。オードリーもホームである以上意地を見せなければならない。若林は、笑い話を早々に切り上げ、質問を投げかけるというシフトに切り替えていく。しかしその奇襲に対しても、若林からのお笑い雑誌の記者ばりの質問攻めもきちんと根っからの番長気質で受け止め、「単独ライブを毎月やっていた話」「『ガハハキング』で四週目で番組が終るということを知っていたけれど、スタッフに『あいつらせっかく四週勝ち抜いて良い感じだったっていうのにっていうプラスのイメージだけ残りますよ』と言われて、こりゃ幸いだと思った」という、笑えて熱い話でここでも得点を重ねていく。
第二クォーターのハイライトは、オードリーが上田司会の番組に出たさいのやりとり「春日ですから」「なんぼのもんじゃい!」という思い出エピソードを話した後の「でも、ほんとになんぼのもんじゃだからねえ」だろう。あの往年の名プレー「マックミランだからねぇ」を観客は思い出したことだろう。
ここまでを追えて、やはり、豊島公会堂が産んだレジェンドを前にしてさすがのオードリーはやや防戦気味であるが、まだまだ疲れも見えないオードリーは、第三クォーターが始まると同時に、先手を打って上田から司会の極意を聞き出そうとするも、『相棒』しか見てないから、『しゃべくり007』に8.6秒バズーカーがゲストで出てきたけど全く知らなかったので、あたふたしながら上手く誤魔化した話と、相方の有田に腹立った話へと続けるという流れるようなコンボ攻撃をカウンターで喰らわせ、反撃を一切許さない。
体勢を崩しかけながらも若林は続けざまに、くりぃむしちゅーの楽屋から笑い声聞こえてくる問題に切り込んでいく。すると、上田から、今日の楽屋での「モノマネ芸人の人ってなんで自らやりたがるのかねぇ」っていう話の内容を引き出し、くりぃむしちゅーのANNリスナーを喜ばせるというナイスアシスタントに成功。そのアシストに気が乗ったのか、上田は、有田が「上田が総理大臣になったら俺を官房長官にしてほしい」と話しかけてきたので、そこから上田が新聞記者、有田が官房長官という楽屋コントが始まり、気がつくと二時間半やっていたら、収録を再開させるために楽屋に呼びに来たスタッフに「こっちの話終わってないからちょっと待て」と言ったという、鉄板トークまで披露する。
特筆すべきは、第三クォーターの終盤あたりに、若林はライター気質を武器に深いところに攻めつづけていた中でのダメ押しの「上田の強めのツッコミに怒った人はいるのか」という攻撃だ。完全に乗りきっていた上田は、そんな若林のトラップにひっかかり、「直接言われたことは無いけれども、マネージャーとか番組終ってプロデューサーとかが、ちょっとあの人に対してのあたりがきつかったみたいだね。なんか怒ってたよみたいなことは聞いたことある」「俺な、あのたまーにな後輩の芸人とかでもいるんだけども。俺があの、一番嫌いだと言っても過言じゃないのが、本番中ね失礼なことを言いました、若林さんあんただってブサイクじゃないですかって例えば後輩芸人が言いました、で、余計な御世話だよーお前なんか言われたくねえよーってわーっと盛り上がって、本番終わりました、はい、収録オッケーでーすってなって謝りに来る後輩いるだろぉ、あのさっきは失礼なこと言ってどうも失礼なこと言ってもうしわけありませんでしたって、ああいう後輩がいっちばん嫌いなのよ。俺許せないの。そういう後輩は。俺は確かに先輩に失礼なことを言うけども、先輩が怒っても絶対に謝らないってことだけは決めてんのね。だから多少、この人表情変わったなって思ったことはある!えー、今年、橋幸夫さんがちょっとカチンと来てたかな。」「俺ずるいと思うんだよ。俺は何を言われてもいいわ。例えば後輩からすると先輩に失礼なこと言って笑いをとろう。笑いとりました。で本番終わりました。失礼なこと言いましてすいません。お前さそこで常識的な良い奴っていう評価までもらおうとすんのかいって思うわけ。」「先輩をいじって笑いをとるっていうのはこいつ失礼な奴だって思われてもいいっていう覚悟をせんかいって俺は思うのね」「俺は別に失礼なやつとか無礼なやつとかあいつは性格が悪いって思われても良い。ただ先輩に今も失礼なことを言ってもここは、すいません!ここは笑いをとりにいきますわ!を、俺はそこだけをとりに行きたいから。」と笑いを交えながらも、芸人が司会をやるうえでの上田なりの矜持を披露する。しかし、笑いを第一義に考えている上田はそこでは終らせずに、きちんと「若手の頃に共演した出川哲郎に本番で失礼なことを言った後、楽屋に謝りにもいかなかったので、7~8年前まで嫌われていた」というオチへとつなげる。「地獄に落ちる覚悟はしてんのよ。そういう意味での常識がないっていうことでね」はまさに上田が好きなプロレスラーのイズムであろう。しかしそんな油断をしていた上田の隙を狙って放ったオードリーの「よし、今日謝ろう、終わったら」華麗なカウンターに送られた観客の拍手の中、第三クォーターは終了した。上田の言葉を借りるとすれば「天竺くらい遠く」あってほしかった第四クォーターだがこちらも、若林と上田の司会業トークで盛り上がりを見せていたが、唐突に訪れた試合終了のホイッスルが鳴り、上田は惜しまれつつも闖入者のようにピッチを追いかえされてしまった。
番組も終り、いつものエンディングテーマが流れる中、くりぃむしちゅーのエンディングテーマの銀杏BOYZの「夢で逢えたら」が流れる様子は、まるで歴史がクロスする、ユニフォーム交換のようで胸にこみあげるものがあった。
上田ほどのレジェンドとの試合に、オードリーであれば、単なるパス回しでも成立したであろうに、朝からハンチング帽子を用意するほどに用意周到であった上田は完全にパンプアップした状態で1時間30分を駆け抜けていったこの試合は、体感時間ではその何分の一にも感じられるほどの濃密なゲームであった。
本誌がこの日の上田晋也にくだした点数は、年内のくりぃむしちゅーのANN復活を期待して97点をつけたい。また上田に食らいつき奮闘したオードリーにも95点を差し上げたいと思う。」

ガゼッタ・デロ・オワライーノ』の上田晋也特集を読み終わった俺がひとツッコミ「いや、趣味の例えにモンシロチョウ集めって、巣鴨でタピオカジュース売るくらいピンとこねえな!」