石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

今、ONEPIECE本編めちゃくちゃ良いです。

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 いつものように、『ONEPIECE』のコミックスの最新刊を買いに本屋へと行ったら、思わず、『ONEPIECE』の販売促進用のポスターを見て写真を撮ってしまった。96巻のためのそのポスターは、ロジャー海賊団のイラストに、「あの日おれ達は世界の全てを知った―――。」という文字が書かれているものだった。『ONEPIECE』の96巻は、ポスターの通り、ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団が、最後の島に辿りつき、ひとつなぎの財宝を見つけるという過去が描かれているという、重要な巻なのだけれども、『週刊少年ジャンプ』の本誌を読んでぐっと来た、光月おでんが、ロジャーの処刑と、大海賊時代の幕開けを知って、ワノ国の浜辺を泣き笑いしながら、駆けるシーンも収録されている。物語上では、あまりに有名な一話の冒頭に連なるシーンであり、ここにきてさらに物語に厚みが増したわけだが、加えてこのシーンを本誌で初めて読んだ小学校高学年のころまで思い出した。
 現在のジャンプ本誌での『ONEPIECE』は、このワノ国の大名であり、ひとつなぎの財宝に到達するために必要な能力を持っている重要な人物である光月おでんの過去が描かれたあとに、現代に戻り、ワノ国の侍らが、ルフィらと力を合わせて、四皇の一人であるカイドウとワノ国の将軍である黒炭オロチをいざ討たん、そしてワノ国を開国せよ、というところであり、尾田栄一郎がずっと書きたかったというワノ国編は佳境を迎えようとしている。1000話、100巻に向けて、さらなる盛り上がりを見せるであろう。   
 決して新型コロナの感染拡大防止のための自粛による暇が出来たというわけではなく、あくまで本誌をさらに楽しむためにであると自分に言い聞かせつつ、『ONEPIECE』を、パンクハザード編から読みなおすことにした。パンクハザード編は、ワノ国の侍である、狐火の錦えもんが初登場するだけでなく、なぜ今カイドウと戦うことになったのかということが始まっていく重要なシリーズなのだけれど、そこからワノ国編までまた読みなおしたが、これまでは流し読みしていたんだなというくらいに、読みなおしてみると、その重要な秘密に対して丁寧にフっていたりということに気付かされて、めちゃくちゃ面白かった。
 ルフィたちと共闘している、錦えもんを始めとするワノ国の侍の主要メンバーである赤鞘九人男はとてつもなく強い面々なのだけれども、最近全員が集まり。パンクハザード編からドレスローザ編、ゾウ編を通して、適度に重要な秘密をフリ続けていたことが分かって
 実は、この赤鞘九人男のうち、錦えもんを含む数人は、トキトキの実という、未来に行くことが出来るという悪魔の実の能力者によって、過去から現在に飛んできていて、物語上では20年経過しているものの、錦えもんらからしてみれば数ヶ月前の話となっている。他の侍は、20年、ワノ国で、トキトキの実の能力を疑ったり信じたりしながら、過ごしていたのだが、全員がバラバラになっていて、なかでも一人の、傳ジローというキャラを一気に好きになってしまった。ネタバレになってしまうが、傳ジローは、二十年間、独りで、しかもオロチの下で正体を隠しながら、20年を待ち続けていたということが発覚し、それがめっぽう、胸にくるものがあった。
 数か月前のことだけれども様々なことがあった錦えもんら時空を飛び越えた者と、待っていた者、半ば疑い自由に生きていた者と、赤鞘九人男、熱すぎるので、読んでみては、読みなおしてみてはという話でした。