石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

お笑いピューリッツァー賞2017

 今年のお笑いでぐっときた写真をまとめました。お笑いピューリッツァー賞スタートです。優勝は、あなたの心の中に……。 

 

(1)爆笑問題田中の妻である山口もえがポンポコ妊娠した!2018年はそんな素晴らしいニュースから始まりました、な写真。

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(2)恐らく今一番、お笑いインナーマッスルがむっきむきでバッキバキの男、オードリー若林正恭。『激レアさんを連れてきました』では角度ある例えツッコミを的確に決めながら、ラジオではふざけ倒す悪童。漫才は見るたびにアップデートされている。『IPPONグランプリ』では準優勝。クーバ、いや、キューバ旅行記の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』もとても良い本だった。振り返れば活躍の年ではなく、序章に過ぎなかったといわれるくらいに、若林は来年も突き進むことだろう。そんな若林がつかの間の休息として、葉巻を嗜んでいる写真。

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(3)お笑いインナーマッスルがむっきむきでバッキバキの相方である、オードリー春日。『水曜日のダウンタウン』ではその異常性をいかんなく発揮。室温50度の部屋でも5時間耐えただけでなく、汗が出なくなってきたからという医療知識を駆使して「しょうがねえな」と言い放ち、危機を回避。さすが失恋して過呼吸になった若林を携帯電話越しで助けた男である。バラエティーでの肉体仕事だけでなく、エアロビ、東大受験も並行していった一年だった。そんな春日を端的に表した写真。

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(4)『水曜日のダウンタウン』でドッキリという皮をかぶった私刑を食らい続けた一年間。さすがに地獄の軍団といえども、やり過ぎではないかという論争が起こった瞬間に、自分からチョンボをして、「私刑やむなし」に持っていく力技で、勝手にリセットされてしまう。
何よりむかつくのは、黒川が追い詰められた瞬間に放つワードの切れ味が鋭く、きちんと面白いところだ。そのせいで、村上龍の『昭和歌謡大全集』のような暴力の連鎖ではなく、『うる星やつら』の『ビューティフルドリーマー』や、『涼宮ハルヒの憂鬱』の『エンドレスエイト』といったループ物のような、メビウスの輪のような、ウロボロスのようなそんな狂想曲はまだまだ続く。黒川がガチの犯罪をしない限りは。その黒川がアップした一枚の謎の写真。精神鑑定を望む。

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(5)『水曜日のダウンタウン』がフィーチャーした陰のサイコパス安田大サーカスの黒川であれば、そこぬけに陽のサイコパスがバイきんぐ西村。クレイジーとしか言い表せないそのトリックスターは、蟹を食べるだけで何万人ものお笑いファンの腹を爆発させた。そんな写真。 

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(6) 売れれば売れるほどに、そのコンビ名であるアイデンティティが崩壊していくその様子は皮肉というほかなく、『自我』に対して自己言及していかなければならない写真。

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(7)「野生爆弾が一切スタイルを変えずに売れる」。それは、ゼロ年代のお笑いに青春を捧げた人間であれば一回は夢想したことであり、それ実現するよ、とラベンダーの香りを嗅いでタイムリープして当時のお笑い好きに伝えても、「馬鹿いってら」と一笑に付されるだろう。小沢健二が「間違いに気付くことがなかったなら?」と夢想する並行世界があるように、アラサーを超えたお笑いファンが夢想した並行世界にいつの間にか入ってしまっていたように、野生爆弾のくっきーがテレビを荒らした、そんな一年。そして、そのきっかけを作ったのはフジテレビであるということを僕らは忘れてはいけない。そんな写真。

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(8)今年一年、バンドとの対バンだったり、お寺でやったりと、様々な形の単独ライブを重ねてきたラブレターズ。惜しくもKOCへの出演は逃してしまったものの、12月に行われたその一年間の集大成の単独ライブで披露されたコントの数々は、バナナマン譲りの不思議な悲しさやブラックさを残しつつも、そのコンビ名に劣らないポップなもので、もう、バナナマンが好きすぎて、ネタを書いたら、まんまバナナマンのコントだったあの頃からは一皮もふた皮も向けた素晴らしいものだった。カイザー、ガイコツとヌードモデルは立派なコント師ですよ!!な写真。

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(9)我らがくりぃむ有田が、ドラマ主演、しかもあの古谷実漫画の『わにとかげぎす』だというニュースに色めきだった瞬間は今も記憶に新しい。原作の無気力人間を、子供に「土に埋まって死ね」と言われた有田が演じるのだから面白くならないはずがない。それだけでなく、「パンティーのブローカー」ならぬ、くりぃむ有田の楽屋写真のブローカー本田翼が自身のSNSに惜しげなく、有田の写真をアップしてくれた。髪の毛が天パになっているのは、相方である上田の天然パーマをいじりすぎた呪いとのことで髪質が気になるところだが、それを差し引いても最高の写真。

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(10)有田哲平がMCを勤める、日本で、いや、世界で一番難しいことを普通にやり遂げている異常な番組『全力!脱力タイムス』の主演が有田ならば、間違いなく、全力解説員として助演男優賞を受賞すべきなのが出口先生だ。犯罪心理学者でありながら、何故こんなコントに乗っかっているのか、そして何故こんなにその演技が上手いのか、誰もが頭上にハテナマークを浮かべながら爆笑した一年だった。そのうちのひとコマを抑えた写真。

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おまけ。
NegiccoのKaedeが聞いているであろうと推測されるラジオ。

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