石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

『デルタホース#4』感想

 ハライチ、さらば青春の光相席スタートの三組の合同ライブ『デルタホース#4』を見てきました。
 TBSのラジオ番組『ハライチのターン!』でもたびたび話題に出ていて、メンツも素晴らしく、凄く行きたいと思っていたところに、今回たまたま遠征に組み込むことが出来てとても嬉しかったです。
 ライブの構成は、OPトーク→ネタ(相席スタート)→コーナー「お互いのことを知ろう(1)」→ネタ(さらば青春の光)→コーナー「お互いのことを知ろう(2)」→ネタ(ハライチ)→EDトークというシンプルなもので、一時間二十分ほどでしたが満足なライブでした。
 相席スタートの漫才は、山添が「僕はいつもケイさんに怒られているが、本当はケイさんが悪い。それはケイさんに魅力がありすぎるから」と話しだし始まる。例えば「自分が楽屋から出るのが遅いのはケイさんの魅力があるから。漫才を『こんなええ女とやらさせてもらってる』と思うと、余韻が凄いのでタバコを吸わざるをえない。」というもので、そんな言いわけをすることを放棄した徐々にずれていく、
 いい意味で荒くて出来たてほやほやという感じがするネタで、これを何度か舞台にかけてブラッシュアップしていくと、タバコ吸いながら余韻に浸るくらい良いネタになるんだろうなと思った。タバコ吸ってませんけど。早くそのネタも見たい。
 トークゾーンで、相席スタートM1グランプリに、後10回は出られるという話になり、ケイさんが「40過ぎても、合コンでのモてテクネタを披露してほしい(大意)」と言われていたのは笑いました。いや、まあ、同窓会にすれば、全然いけますね・・・・・・。
 個人的に驚いたのは、山添の平場での振る舞いで、ネタでの振る舞いから一歩引いた印象があったのですが、コーナーでは前に出て笑いを取っていて、印象的なワードを放っていたり(忘れたけど)すごく良かったです。俄然気になる存在になって、もっと山添をもっと見たくなりました。 
 さらば青春の光のネタは「お菓子の家」。東ブクロが「お菓子の家に憧れている」と言いだすオーソドックスな漫才かと思いきや、その実、「そのお菓子の家の素材が、名前は聞いたことあるけど、ぱっと出てこないお菓子をだして、「ツッコミのテンポが悪いなあ」とメタな要素が入り、もう一度最初からやり直すというコントの作りになっていき、最後はまた漫才にもどるという、よーく考えるとかなり深いネタでした。
 もっと新しいネタをデルタホースで見たいのはやまやまですが、お互いのことを知ろうのコーナーで、「夏の終り」というテーマの写真と、キャッチコピー(題材は何でもいい)というお題に対して、東ブクロが、「夏の終り」には「広瀬香美“独立騒動”円満解決を報告」というニュースのスクリーンショット、キャッチコピーには「『6人12脚』 デルタホース」とデルタホースのキャッチコピーなのに、デルタホースと入れてしまうという、ぶっちぎり最下位の地獄のセンスを披露。森田も森田で、「夏の終り」には「ベッドサイドの机に二本のお酒の瓶(一本は倒れている)を置いている写真」、「首輪を捨てたドーベルマン(岩井「ちぎったんじゃなくて捨てたっていうのがダサい!」)」と、」というなかなかのセンスを露呈させていたので、EDトークでは、岩井に「さらばは次はいないかもしれません」と解雇宣告されていたので、次回出るか妖しい説が浮上しました。ダサ坊なセンスなのに、あんなに最高のコントを作り続けているのは凄すぎる。
 ハライチの漫才は「コミュニケーション能力チェック」。澤部にコミュニケーション能力があるのか、それを調べるためのテストがあるのでそれを岩井が一個ずつ言っていくからあてはまるなら言ってくれというもの。あるあるネタを言っていき(この精度が高いこと!ただ、一つも覚えてないですけど。脳が死んでいるので。)、澤部がそれに合わせていくというもので、ノリボケ漫才に回帰しつつも、チェックリストという性質上、発想が飛びすぎないので、地に足ついた笑いを重ねて、グルーヴが生まれていく。どう切り取っても、すぐにテレビでかけられるほど、キャッチーな漫才でした。
 ハライチといえば、稀代のゴシップハンターのさらば森田がEDトークで、「ハライチ、M1出ないん!?」とぶっこみ、岩井が「うん、出ないよ」的に、M1不参加を表明するシーンがありました。そこで、岩井はギャグっぽく「うまい漫才、もういいっしょ」と言っていました。
 確かにハライチがM1に出ないことに対して、ハライチのターンリスナーとして一抹の淋しさを感じつつも、まあ、妥当な判断かな、と思いもします。
 そもそものことを考えれば10年以内の若手のための大会なわけだから、ここらで区切りをつけて、賞レースで勝つ漫才(ハライチの漫才はそこを意識しつつも囚われすぎていない無二のものだけど、(事実、そのような主旨のことも岩井が言っていた)から脱却した、ネクストフェーズのハライチが見られることのほうが嬉しい気がしますね。実際、少し前よりも、岩井のテレビの仕事や評価も変わってきていますし。
 といいつつ、そのさらばも一旦KOCの出場は今年で終わるみたいです。
 こんな感じでデルタホース初体験、楽しかったです。コーナーも、4回目にしてまだ、微妙にメンバー間の距離があるのに笑いつつ、こうやってネタの種類が違う人達が集まれる場があるのはすごくいいことですね。そんなデルタホース、次回は来年1月20日に、キャパ二倍の下北沢タウンホールでやる予定とのこと。
 
同人誌をBOOTHでの販売始めました。
https://memushiri.booth.pm/

質問箱です。
https://peing.net/ja/memushiri