石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

本当に地元での生活を楽しんでいる人間が「俺は地元の生活を楽しんでいる」という一文を、ブログのオチに使うわけがない。

 夏の密航から帰ってきて、毎日をソビエトにいたころのウォーズマンのように粛々と過ごしている。この夏に変わったことといえば、『キン肉マン』を読み終えたので、この例えが体に入った状態で使えるようになったということぐらいだ。
少し前に、仕事からの帰り道に、高校の頃の同級生を見かけた。同じ部活をしていて、それが少人数だったので、高校生活を一緒に密に過ごした間柄だった。バイクに乗っての帰宅だったので、視界に入ってすぐに通りすぎてしまったので、声をかけることが出来なかった。その同級生とは、県外にいることは知っていたが、13年以上会っていないにもかかわらず、よく気付けたと思う。携帯電話の番号が変わっていなかったからか、LINEに「ともだち」として登録されていたので、確認のために電話をしてみると繋がった。
 そこで、やっぱりそれは当人で、少し前に地元に帰ってきて、美容師をしているという。
 しばらくやりとりをして、髪を切りに来てくれと言われたので、行ってきた。そこで久しぶりに会うということになったので、変な緊張があったが、蓋を開けてみれば、何の問題もなく、散髪してもらっている間ずっととりとめのないことを喋っていた。気心の知れた人に髪を切ってもらうということのメリットは、無用な会話をしなくてもいいということがあるが、何よりも、普段は自意識が邪魔して絶対に言えないような「バナナマンの設楽さんみたいな髪型にしてほしい」という注文が出来たことだ。タブレット端末で、「バナナマン 設楽」で検索して、あらゆる設楽統が出てきたときは、少し感動すら覚えた。
 その時に、飲みに行こうという話を切り出したのだけれど、今はお酒を飲んでいないということで、こちらも、ならファミレスで良いかとなって、時間を合わせて改めて行ってきて、そこでも三時間くらい喋り倒してきた。喋っている内容は、キャッシュレス生活や、車社会にモノ申す、など、普段思っているようなことばっかりだったが、とても楽しかった。
 今考えれば、何であんなに高校時代は部活動というものに入りこめていたのか分からない。最近は、残業が全くないせいか、10分の軽い作業でもいらいらしてしまうというのに、ミルコ・クロコップと呼ばれていた警察官を辞めて教師になったという顧問のもとで、お金にもならないことを二年間以上毎日していたというのは正気の沙汰ではない。まさに、バラクーダのもとで修業をしていたウォーズマンである。

 筋肉に関する研究で、マッスルメモリーというものがある。これは、筋トレなどをして筋肉を増強させる、しばらく筋トレを辞めて、何年か後に再開したら、その時の状態にまで簡単に持っていけるというものである。
 ただ、この時、培われた人間関係というフリが、十数年の時を経て、好きな芸人の髪型に近付けてもらえるというオチになるという一点においても、やっていて良かったんだなという気持ちにはなって、人間性を取り戻している。
 やっていることは、ほぼ、超人オリンピックに参加してキン肉マンたち正義超人と交流を持ち始めたことで感情が芽生え始めたウォーズマンである。

 

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