石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

まんじゅう大帝国トークライブ『おしゃべり大外交#4』


 まんじゅう大帝国のライブ『おしゃべり大外交』を見てきました。
 ラジフェス初日の観覧を終えて、カプセルホテルで少しだけ休んだものの、体バッキバキの状態で数年ぶりのオールナイトライブということで、いろいろと心配でしたが老体に鞭打った甲斐がありました。
 夜11時過ぎの、新大久保というディープな街をすり抜けてネイキッドロフトへと向かう。ネイキッドロフトといえば、あの、あの、お笑い評論家であり、おわライターでもあるラリー遠田さんの主催する「お笑いトークラリー」が開かれている会場であり、言ってみれば、お笑いの聖地なわけで、震えが止まらない。しかし、新大久保、焼き肉店が多くて、美味しそうでした。
 嘘と無駄はこのくらいにして、トークライブを出来るだけ振り返ろうと思います。
 第一部は前回の同ライブが開催された8月から今日までを、まんじゅう大帝国二人だけのトークで、振り返る。割と激動だったようで、8月はM1グランプリが始まったのだけれども、まさかの一回戦敗退という地獄の夏の幕開け。しかし、そこから『ENGEIトライアウト』に出演、そこで勝ち上がって『ENGEIグランドスラム』への出場券を獲得するという高低差、からの、トークライブの日の朝に放送された竹内の「ウルトラマン」出演と目白押しだった。
 全組ウけていたというトライアウトで、自分達が勝ち上がれたのは、お客の投票数が一人二票というなかで、一番面白かった人にそれぞれ入れた後、「二票目どうしようかなー、そういえば、変なやついたな~」と思ったみんなが、自分達に入れてくれたからだろうと分析。
 そんなこんなで迎えた、グランドスラム当日の話は、裏話たっぷりで聴きごたえがあった。誰も知り合いがいないから知っている人の楽屋がいいだろうということで爆笑問題の楽屋にいたのだけどそれで緊張してしまったから逆に本番ではそんなに緊張しなかったとか、楽屋挨拶に行ったけど全く会えなくて、全然挨拶出来なかったとか、「タ行で『雪の華』を歌う」という友近のネタに使う歌詞のカンペを見つけて「これ、いるか!?」となったとか、せり上がりの瞬間まで、とにかく色々話してくれました。
 田中が再現した太田さんがやたらとおじいちゃんだったり、田中(裕)が田原俊彦ぽかったところだけ気になりました。
 他にも、『ウルトラマンR/B』で竹内がザラブ星人として、まんじゅうのネタみたいなストーリーを話して、田中はそれを同居人とゲラゲラ笑いながら見たという話をしていました。
 そんなこんなで一時間ほどで第一部終了。思えば、平場のまんじゅうはほぼ初だったのだけれど、激動の二カ月をゆるやかにトークしていて楽しかったです。
 竹内のカラオケの音源を聞かされるという休憩を挟んではじまった第二部は、一組目のゲストのパーパーが登場。
 前半のトークは、なんか一歩間違えたら炎上しそうな気もしないようなセンシティブな内容の話だったので、割愛。俺はそういう配慮が出来る男。
パーパーといえば、仲が悪いということでお馴染なのだけれど、その弊害の話をしていた。
 このライブの日の昼は、とある大学の学祭での営業だったが、そこでネタを外してしまったとのこと。それで観客の心が離れてしまったのか、ステージ上に観客をあげてゲームをするために、呼びかけるも、誰ひとり手を上げないという状況になってしまい、星野はあたふたしてしまったが、あいなぷぅからの助けがなかったというもので、これはちょっと仲良くしないとなと思ったという。その帰りの新幹線では前に星野、後ろにあいなぷぅという座席の位置で、一年ぶりに、東京駅で降りるときに「今日の夜(のトークライブ)、がんばりましょう」と話しかけようと、意を決して、駅について後ろを見たら、あいなぷぅはすでにいなかったと。それに対してあいなぷぅは「私は前から、(新幹線に乗る時は)品川でおりていた」といって、それすら把握していないってこのコンビ間の溝、マリアナ海溝ばりに深いな、と思いました。
 パーパーのネタ作りの話が聞けなかったのだけが残念です。ちなみにまんじゅう大帝国のネタ作りについては、竹内が田中の家に行くが、田中は寝ているので、田中と同居している芸人と大きな声で喋って起こすようにしているという話しか聞けなかったが、そのことの話の中で田中が言った「芸人って、起きるまで寝てるじゃない?」が、何とも落語っぽくて良かった。
 第三部は元卯月の木場がゲスト。木場は田中の同居人の一人。もともと仲良くなったのは、竹内と木場の間が先とのことで「(でも田中と同居しているんだから)不思議なもんだよね」と話していた。その他には、かが屋の賀屋、バーニーズの細田官房長官が同居しているという。
 竹内と木場が話すようになったのは、楽屋でよくシャドーピッチングをしているらしい竹内に、最初、野球が好きな木場が「野球やってたの?どこのポジション?え、ピッチャー!?」と話していて、どんな投げ方していたのって聞いたら、急に竹内が「身長が5Mあったから、上からボールを落としていた」と言いだして、「俺、普通に野球やっているのか知りたかったのに!?」となったが、そこから仲良くなったと。
そこからあるライブのあと、会場だった新宿バティオス(だっけか)の外で、竹内と木場が何やら楽しそうに話している。気になって近付いて聞いてみたら、「元気ですか?」「元気ですよ」「元気があれば何でも出来るらしいですよ」と話していて、田中はその会話を聞いているうちに「馬場が二人いるぅぅぅ」と気付いたという。
またしても、落語の与太郎同志の会話の匂いがするエピソード。談志師匠、これが江戸の風なんですね(地面に向かって叫ぶ)!
 木場は、たまに見かける、心のドアの鍵がぶっ壊れているタイプの人で、やたら明るいのに、何か闇を感じるという、前の方で見るには恐怖を感じるくらいに完全にオープンな人だったのだが、卯月が解散して、暇になった今は、よりウェルカムな状態らしく、誘われたらどこにでもいくし、何でもやってしまうと。先日も山梨でのアイドルのライブに行って、帰りの算段がなかったのだけれど、たまたま先輩芸人が車で来ていたので、運転するんで一緒に帰らせてくださいとお願いして、それで帰ってこられたということもあったという。
 その中で、木場が地蔵中毒という劇団の主宰と知り合って、その劇に参加したという話をしていた。その主催の大谷皿屋敷がクレイジーだという話をしていたら、まんじゅう田中の落語での知り合いとのこと。まんじゅうの二人は、大谷のやばい話を聞くたびに、「元気なんだなー」という和やかな気持ちになるらしい。
 大谷も田中が優勝、竹内が準優勝した学生落語の大会「てんしき杯」で優勝しているのだけれど、「いろんな夫婦がいますよね。キンタマを万力で潰して、いててて、もうやめてもうやめて、リアス式海岸みたいになってるから!」というマクラから「火焔太鼓」に入るというぶっとんだものをしていたという。
 その「てんしき杯」でもずっとこんな調子で馬鹿みたいにウケていたという。田中曰く「あいつなんだかおもしれーなー、あげちゃえ、あげちゃえってなっていたら、いつのまにか決勝戦にいた」とのこと。その決勝戦の相手は、上方で女性で上手いという真逆の落語だったのだけれど、明らかに笑いの量で大谷が勝っていたため、審査員すらも「大谷に入れないのはちょっと・・・・・・」という会場の空気に飲まれさせてしまった末の優勝だったと笑いながら話す。

 最後は、ゲームコーナーをして終了。

 オールナイトトークライブ帰りの、体は疲れているけど脳がバキバキに起きている状態で、まだ暗くて少し寒い早朝の駅で立っていると、東京だなあ、と思います。