石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

お笑イイはなしーさー2018

 2018年もそろそろ終わり、平成も残りわずか、そんな時でもお笑いの世界では様々な事件がありました。その中で、個人的に良い話だと思った話をまとめてみました。ここでいう「良い話」はただの「良い話」ではなく、噛みしめれば噛みしめるほど味があるという意味ですので悪しからず。

 

(1)爆笑問題の田中が働いていたミニストップ南阿佐ヶ谷店が日本最小級になっていた話。

 

 爆笑問題の田中といえば、下積み時代にミニストップ南阿佐ヶ谷店で働いていたことはファンの間では有名な話で、そこでのエピソードとして、田中のヤバさを端的に表すものとして、「客が商品を選んでいるのを見ていて、選び終わった客が商品をレジに置いた瞬間に金額を伝えた」というものがある。そのミニストップがビルの建て替え工事に伴って、営業が休止されていた。しかし、周囲の人々からタバコだけでも売ってほしいという要望に応えて、臨時店舗として再開、そのお店の大きさが、駅の売店程度になってしまったという話。

 

 (2)チョコレートプラネット松尾の結婚式で挨拶を任された相方の長田が、NSC入学以降のことを「なんやかんやありまして、今ここに立ってます」というボケをするも、そのなんやかんやを思い出して号泣、そんな長田を見て松尾も号泣した話

 

 「なんやかんやありまして」は、決して、松尾が松尾アンダーグラウンドに改名して、また松尾に戻したことだけではない。
 間違いなく今年一番ブレイクしたチョコレートプラネット。松尾のIKKOのモノマネ、長田の和泉元弥、果ては「面白くないものである」という前提で作られたTT兄弟まで、いわゆる確変に入った状態だが、そんなチョコプラが投げる変化球を、コント師としての実力を知っている我々は、安心してキャッチ出来る。そんなタイミングで松尾が結婚したのだから、いくらボケでも、そりゃあもうこれまでのことを思い出して泣いてしまうだろう。
 やや歪な売れ方を受け止めて、飄々としながらも笑顔で、きちんと仕事をこなす。負けて勝つという勝負が出来る。そして相方の結婚式で泣ける。

 間違いなく、今年一番カッコ良かった男はチョコプラ長田だ。
 一番カッコ良かった女は、『来る』の柴田理恵です。
  
(3)ケンドーコバヤシアンガールズ田中の間で交わされていた、「ケンコバに彼女が出来るまで田中は彼女を作れない、ケンコバが結婚するまで田中は結婚できない」という内容の地獄契約。その契約が、ケンコバに彼女が出来たことで解除された話。

 

 ケンコバは、好きな人とするセックスはこんなにも気持ち良かったのかと思ったそう。

 

(4)ハナコのギャラが4:4:2になった話
キングオブコント2018』で優勝したハナコ。バラエティの仕事も増えている。そんなハナコが社長と会長と食事をした際に、ハナコのギャラについての話となったが、ネタを作っている岡部と秋山と違い、相変わらず飄々としている菊田に対して、ついに社長と会長から、「三等分はおかしいよな……」という話が出て、結果、岡部と秋山の二人が4、菊田のギャラが2になった話。

 

  プレミアムフライデー働き方改革も没収されてしまう、政策とは真逆を走る男、それがハナコ菊田。

 

(5)ナイツの塙が連続ドラマ『警視庁・捜査一課長season3』に出演するも、演技が棒読み過ぎて、「実は犯人なのではないか」説が出てしまった話。

 単独ライブで演技を見ましたが、むベなるかなと思いました。 

 

良いはなシーサーもあれば、そうでない、精進料理のように味のない話もある、ということで、良い話―サー一位の発表の前に、浅くて良くない話、浅良くない話を紹介します。基本的には順位とかないです。全部浅くて良くないので。
「オードリー若林が、ナンチャンに『黄昏流星群』を勧められてどハマりした話」。お手本のような浅良くない話ですね。
 続きまして、「ジャルジャルがラストイヤーにM-1グランプリに出場し、レッドシアターのメンバーにグループラインで応援された話」。レッドシアターのメンバーが今も仲が良いという現実、浅良くないです。
 「コロコロチキチキペッパーズナダルが、彼女が27歳だと思っていたら40歳だった話」。ナダルが彼女に年齢を詐称されていたとのことで、いいはなシーサーの筆頭だったのですが、そのナダルがめでたく結婚したことで、浅よくない話に降格です。せめて、年が明けてから結婚してほしかった。
 『東京03飯塚がツイッターに、静岡県中田島砂丘をバックに取った東京03のスリーショット写真をアップしたら、ラブレターズ塚本が初めてキスをした砂丘だったということが発覚した話」。妥協を許さない、緻密に計算され尽くした東京03のコントのように、登場している全てのワードが浅くて良くないです。見本のような話。
  順位とかない、と話しましたが、やはりベストは決めたいところなので、決めました。
「浅良くない話2018」のベストは「水川かたまりが、別れた彼女に12本のバラを持ってプロポーズするも振られた話」です!
  間違いなく2018年のラジオでベストに入る、「水川かたまり、フられて号泣事件」。かたまりが同棲していた彼女と別れたあとも、やはり諦めきれずにいたため、改めてプロポーズを敢行。バラは渡す本数によってその意味が変わってくるらしく、12本は「私と結婚してください」というプロポーズに用いる本数だという。リスナーの、もしかして大逆転があるのではないか、という予想と期待も空しく、プロポーズは失敗してしまいまった。でも、ここからまた始めよう、芸人を頑張ろうと宣言するかたまりの決意は、我々リスナーを感動させてくれました。この放送こそが、空気階段爆売れ前夜だと思わされました。
 そんな感動は、『空気階段の踊り場』の「恋愛と向き合おうSP」にゲスト出演した人力舎所属のピン芸人の吉住がで「絶賛しているの、売れてない男性芸人だけ!」と喝破したことで、一気に覚めました。なので、ベストオブ浅良くない。その吉住も、男との肉体的な接触を求めて、健康保険を使って整骨院に通い詰めているのだから、たいがいではあるのだけれども。格安治療を求めて訪日する外国の富裕層だけが医療費増加の原因ではないことを思い知らされました。

さて、良い話―サー2018一位の発表です。
伊集院光が落語をやるような外堀が三遊亭円楽によって埋められかけられている話」です!
TBSラジオの『深夜の馬鹿力』では「天狗裁き」の話をしたり、同じくTBSラジオ『とらじおと』では、「饅頭こわい」を英語で演じるコーナーをやったりと、やたらと落語づいている伊集院光
 2018年10月2日放送のTBSラジオ深夜の馬鹿力』で、NHKのアナウンサーが師匠である三遊亭円楽と仕事をしたさいに、アナウンサーを辞めて医学部を受験するということを伝えると、円楽は、なるほどそうか、頑張んなさいよ、人間やろうと思えば何でもできるんだから、と言ったあとに、「うちの伊集院も、ある意味今回り道中みたいなものだから」と付け加えていたということを聞いたという話をしていた。
 また、続けて、その週はOPでその円楽のお見舞いに行ったが会えなかったことを話していたのだが、その帰りに、師匠から「見舞いに来てくれてありがとう」という旨のメールがきたので、返信と、それだけではなんだなと思ったので身近な話題として「天狗裁きにハマっています。あの話は狂っていてとても面白いですね」という追伸を送信した。
 その後、「天狗裁きはよく出来てる話だから、いろんな演出の仕方が出来ると思うよ。場面も設定も凄いよく出来てるから。キャラクターの膨らまし方をすると、自分なりの良いモノができると思うから、ちょっとどっかで練習して覚えて、どっかでやってみたらいいんじゃないの?バイバーイ」って書いていたという。
「やらないよね」「何かが迫っている感じ」「何かぶるぶるって来ましたけどね」と言いつつ、まんざらでもないトーンでそのことを話す伊集院に萌えました。
 あまりこういうことを期待してしまうと、長年のリスナーであっても行動が全くよめない伊集院のことだから、言いたくないのですが、伊集院が落語をやる姿を想像してしまうとニヤニヤがとまらないですよね。
 では、バイバーイ。