石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

スピリチュアル好きは悪いだろ!

 フォーリンラブの笹森の「バービーが大声で言いたい、スピリチュアルが好きで何が悪い」というインターネット上で連載されているコラムを読んだ。

 最悪だなと思った。「私自身も今、各所で本音を言いすぎて少し疲弊している。」という部分で爆笑した以外に、笑いどころが一切無かったというのも芸人のコラムとして問題なのだが、一番は、それなりに理屈をこねくり回して、それっぽく見せている点にある。だからこそ、広くSNS上でかくさんされた。

 この文章の何がダメなのか。

 端的に言えば、学問としての宗教、信仰の対象としての宗教、宗教的な慣習、スピリチュアル、スピ、霊感商法など、それぞれ全く異なるものをスピリチュアルと一つのものに仕立て上げ、ユングなどといった言葉を出すことでさも歴史的なものであるというように見せ、さらにスピリチュアルを信じてしまったが故に起きうる悪事や被害、この文章を書くきっかけになったであろう、小林麻耶にまつわる一連の騒動については、オウム真理教の名前を出してぼやかし、自らの大学時代からのルサンチマンや、現在も自分がやっている、全くもって曖昧なスピリチュアル的行為を肯定するために書かれた自己弁護でしかないからだ。

 笹森に限らず、たいてい、こういう時に、オウム真理教の名前が出されるが、そりゃ、オウム真理教が起こしたことなんて例外中の例外であり、相当に凶悪なことなので、流石にそれと比べたら、お金を取られるくらいなら相対的に悪の度合いはそりゃあ下がるだろう。

 どう考えても、膣内に宝石を入れて運気が上がるわけがない。陰茎に真珠を入れるのとはわけが違う。

 小林麻耶きっかけでこんな文章を書いたなら、明確に「いや、悪いだろ」と言わなければならない。

 この文章からは、大麻容認論者がいう「大麻は害がない」という主張と同じようなやり口を感じる。そりゃあ、覚醒剤よりは大麻は害がないだろうし、大麻で救われる人もいるだろうが、絶対的な害は大きいわけではある。いや、そもそもスタートが間違っているし、理論が通っていないよという話である。

 大麻といえば、高木沙耶だが、ああなる前は、高木美保と間違えがちだった。高木美保は有吉から「ヒステリック農業」とあだ名を付けられたことで、それを経由することで、間違えなくなったが、高木沙耶もある意味、ヒステリック農業になってしままった。

「スピを嗜む」みたいな、ゼロ年台的な価値観も分からないではないが、嗜みのまま止められるという保証は全くない。コラムを良いねした人は、もしかしたら誰かの非公開リストに入れられているかもしれない。ある意味では、押し売りは、セールスお断りという札を玄関にはってある家に行くらしい。それを貼るということは、断る自信がないということでもあるからだ。

 特に、不安定な情勢の真っ只中で、安易にスピリチュアルまたはスピを容認するような発言は慎むべきである。

 笹森は、地下鉄サリン事件を出したが、そもそも、オウム真理教は、バラエティ番組をはじめ、そういった緩やかな嗜み的な許容の下に、認知されていったわけである。そんな経緯を知っていたら、こんな文章を書くことは嘘になるから書けない。知らなかった勉強不足。

 どっちにしろ、詰んでいるとしか思えない。