石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

「酒の席で永野を論破したら10万円」感想。あくまで、感想。

 「酒の席で永野を論破したら10万円」を配信で見ました。

 ライブの情報を得てすぐに、これはどんなメンツが出ても、永野、酒、論破という、未曾有のバイオハザードの予感しかない、最悪な三大噺みたいな企画ライブ、買うしかないと思って、心待ちにしていました。ここ最近の残業続きで疲れが溜まっていたため、リアルタイムでは見ずに体力を回復させてから見たのですが、やっぱり、ぶっ飛びました。酒を飲んだ永野とゲストが、用意されたディベートをするというシンプルな企画なだけに、永野が際立っていた。

 最初の相手のザ・ギース尾関への、テーマを話すときに芸人口調になったことをいじり、尾関を飲み込む。やっていることは、刃牙の本部以蔵のジャックハンマー戦。ちなみに、内容が言えるのはここまで。

 他の対戦も同様に、永野は、テーマに対してのYESかNOかなどの答えを選べないというハンディを背負いながらも、関係のない悪口、老害な意見、とんでもない偏見を相手に浴びせ、さらには論点をずらし、でも他者の論点のずれは許さないという悪辣なスタイルで、毎秒炎上のリスクにぶち当たりながら正しさをへしおり、出てきた論客たちを泣く寸前まで追い込む。

 ほとんど、ディベート魔改造だった。

 そんな手法を見抜いたライスの関町が、指摘し攻勢に出るも、ただただルールを破って、場の空気を掌握するという卑怯な手口で、これまでで一番ボコボコにする。

 最後に登場したのは、ウエストランドの井口。井口が最後に出てくるのは知っていたけど、真打ち登場感が凄まじく、妙な感動まであったが、その井口戦は、最高にスイングしていた。多分だけど、登場前にタップダンスしてたと思う。

 そんなこんなで、大満足の配信ライブでした。

 ライブのエンディングでは、心なしか永野も見たことのない穏やかな顔をしていたような気がする。

 何より、ティモンディの前田にも拍手を送りたい。前田の仕切りは、暴れまくる永野にツッコんだり、乗せてから困惑したりと、見事な立ち回りを披露し、全く邪魔にならず、引き立てるところをより引き立てていた。ライブの最後に、配信とそのアーカイブがあることを告知したときに、「一週間あります、長いなぁ」と言っていたのは、そのあとのSNS上での拡散の一助になっている。でも、この配信が広まれば、永野と共に炎上して燃えカスとなってしまうのが残念でならない。そして、永野と井口に「俺は前田を評価しているよみたいなお笑い評論家、ああいうのが一番うるせえからな。いや、みんなに評価されているから世に出てるんだからね」とか言われそうだ。

 このライブ自体は第二回もやってほしいのは山々なのですが、もうすでに、目をつけられていそうな気もするので、次は、「永野とパンケーキを食べながら、あなたがしているSDGs」でお願いします。もちろん、内容は今回と全く一緒で。