石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

生駒ちゃんの「笑顔でさらば!」_生駒里奈卒業コンサート

 乃木坂46の生駒里奈が乃木坂46を卒業するということで開かれたコンサート。それがライブビューイングで地元でも見れるということで行ってきました。
地元と言っても、いうほど地元ではないので公共交通機関を乗り継ぎながら。そういえば、中学二年生のときに、この映画館に行ったときに「2000円を貸してくれ」と言われて、貸したことがあるのですが、いつ返してもらえるのでしょうか。
 ライブは、生駒里奈から溢れる、陽のパワーがそうさせたからか、卒業コンサートでありながらも、エモすぎも湿っぽくもなりすぎないもので、とても素晴らしいライブでした。
 乃木坂46を脱退する理由の一つに、年齢が新卒を迎える22歳に達したからと言っていたからというわけではないけれど、アイドルの脱退というよりは、どこか、違う部署に行くだけの歓送迎会のような雰囲気すらあった。
 生駒がソロ曲の「水玉模様」を歌い終わった後、「全然(歌が)上手くなんなかったな」と秋田訛りで言ったところが、銀杏BOYZの峯田のMCを彷彿とさせたりと、そこにひっかかったのはここにいる中で自分だけだろうなという細かい見どころも沢山あった。
 もちろん、生駒が主役ではあるのだけれども、どの瞬間を見ても一番楽しそうに笑顔で踊っていた中田花奈をはじめとして、生駒へのメッセージの最中に泣いてしまい、客席から「頑張れ」と言われたら「頑張ってるから~」と返した斎藤飛鳥、卒業に際してのメッセージを聞かれたはずなのに「生駒ちゃんには長生きしてほしい」と言ってしっかりウケを取る高山一美、やたら見切れる新内眞衣と、全員らしさ炸裂してて最高でした。
 齋藤飛鳥といえば、「いたいと思えるグループに出来なかったのが悔しい」的なこと言ってたけれど、生駒に取って乃木坂が「ずっと乃木坂にいたいと思えるグループ」になったからこそ卒業したんじゃないかな。憶測や言葉遊びにしかならないのかもだけれど。
 ライブの合間に、ありとあらゆる関係者から生駒へのメッセージが流れるという、演出があり、その一つ一つから、乃木坂46の生駒里奈が、誠実にアイドルをやってきたということの表れだった。
 そんななか、もちろん、公式お兄ちゃんのバナナマンからのメッセージもあった。
カイザーこと設楽統のメッセージ「乃木坂に入ってなかったら、こんなに泣かなかったろうね。でも乃木坂に入ったから、こんなに応援してくれる人が出来たんだろうね(大意)」には泣きましたね。それくらい、設楽統にとって、生駒は泣いているというイメージが強かったのだろう。対するソールこと日村勇紀のメッセージは日村さんらしいストレートな応援。
 バナナマンの単独ライブに、毎回ある「赤えんぴつ」というコントがあり、そのコントは毎回「笑顔でさらば!」と閉められる。
 生駒里奈卒業コンサートは、生駒里奈が一番笑顔で、その笑顔はとても可愛くて、美しかった。最後の最後のコンサートでそんな「笑顔でさらば!」を実現出来た生駒里奈は本当にすごい。
 「生まれてくる時に泣いて、死ぬときには笑ってる」というのが良い人生というけど、思えば生駒里奈を好きになっちゃったのは、クイズ番組で泣いて、それが面白すぎるというバラエティーの女神に微笑まれていた時で、卒業の今日はずっと笑顔で、まさにその格言を体現しきった乃木坂人生なんだな。アイドル人生ではなく、乃木坂人生と書いたのは、おそらく、生駒里奈は、タレントであっても、女優をやっても、歌を歌っても、アイドルを体現してくれるからだと確信しているから。熱心に追っかけていなくても、たまたま付けたバラエティで見かけていたら、きっと手を止めて見てしまうだろう。
 そして、その笑顔を見て、明日も仕事を頑張ろうって思うんだろう。