AKB48の公式ライバルとして、乃木坂をデビューさせるというのを聞いた時に、AKB48への対抗馬としてのアングルを持ったももクロの勢いが増していたような頃だったので、「秋元は相変わらずしゃらくせえ手を放ってくるな。そんなことより、江崎愛美がスベったこと忘れてねえぞ!」なんて思いながら、「会いたかった」を違うメロディーで歌わせて「会いたかったかもしれない」でお茶を濁す感じとか、嫌いだわなんて思っていたんです。濁っていいお茶は綾鷹だけだ、バカ野郎って。
だから、センターの生駒里奈に対しても、「輪郭が、崖の近辺で卵を生む習性を持つから、卵が風で煽られても転がって落ちないように、普通の卵よりも全体的に細長い形をしている卵を生む鳥の卵みたいだな。」って位にしか認識していなくて、やっぱ子供の頃に図書館で読んだ本って意外に覚えているもんだな、適応した動物が生き残るというの、自分が今いる環境にも言えることだな、進化論からミクロな人生感へと思いを馳せていました。
でも、何となくみた「ぐるぐるカーテン」のPVが良くて、メロディも耳に残る感じだったので、「おいでシャンプー」も見ると、いい・・・・・・!
高校生の頃、学園祭でクラスの出し物としてダンスをすることになった時、練習として軽く踊ってみたら、男子から一目置かれていた僕の数々の例えツッコミで全く笑わない女子達に爆笑されてからというもの、ダンスという概念に対して心を閉ざしていて、僕にとって「踊ってばかりの国」は「武装してばっかりの国」より恐ろしいものなんです。
でも、乃木坂のPVはラインダンスを取り入れていてすごく可愛い。女子がじゃれあっている感じ。西岡すみこがお笑いのことを分かっていないように、僕もダンスのことはわからないけれど、揃っている感じがすごく胸がときめく。
で、決定打となったのが、27時間テレビの深夜パートで、さんまの前でネタを飛ばして、あ、違うわ、「制のマネキン」のPV。
歌詞の「恋をするのはいけないことか/ぼくの両手に飛び込めよ」とか「感情を隠したら制服を着たマネキンだ」とか、批評的風でしゃらくさいんですけど、今までの可愛い曲調と違って、かっこいい感じ。
PVも「夜の学校」が舞台で、体育館に、廊下にレーザービームが飛びまくる。過去三作の可愛い感じから真逆、こんなもん、ビートたけしいうところの振り子の法則を持ち出さなくても、おお、かっけえってなりますよ。そして、PVのラストは、急に普通の教室に戻る。顔の上から半分だけ写った生駒里奈が開く戸に視線を動かし、ぷつっと、学校のチャイムと共に暗転。なんだ、これ!想像力掻き立てられる!桐島?桐島的な何か!?
こうなったら、「乃木坂ってどこ?」を見るしかないってことで、見てみたら、これがなかなか面白い。いや、めちゃくちゃ面白い。
例えば、メンバーがコントに挑戦するという企画では、ゲストにドランクドラゴンが登場。往年のコント「車掌」「塚地流はちゃめちゃ拳法」「昔のあそび研究会」を披露し、それをメンバーが、塚地役をしたり、鈴木役を担当する。それぞれが楽しくやる中、バナナマン設楽に「じゃ、拓、厳しいこと言って」と振ると、「えー……」と言いながらも、「(メンバーがツッコミの鈴木役をした時)ツッコミ側が“ボケ”が来るのが分かっちゃってんだよね」と、急にクリティカルかつ芯を食った指摘。これにはバナナマン、塚地が吹き出す。設楽も笑いながら「そうなんだよね、コントってのは作っているものだから、それ(ボケが来るということが分かるということ)を隠さないといけないんだよね」と唐突なコント論に。その前に、「うちの相方はボケのフリに対して相槌を打てない」「セリフに感情を乗っけられない」とメンバーが鈴木拓を超えているみたいな流れだっただけに、アイドル番組といえども容赦ない鈴木拓の強さを垣間見ることが出来たりする。
その他にも、メンバーにどっきりを仕掛けるという企画では、「日村に二人きりの食事を誘われた」という仕掛け人からの相談に、「私、設楽さんなら行っちゃうかも」「日村さんは男として見れない。設楽さんなら見れる」と日村をないがしろにした三人、高山一美、白石麻衣、松村紗友里がHK3(日村嫌い3)と呼ばれたり、それから展開して、前回のどっきりで機嫌を悪くした日村が楽屋から出てこないので、HK3のメンバーで謝りに行って欲しいという、日村の岩戸企画に発展したり、普通にニヤニヤしてしまう。
「乃木坂ってどこ?」を見だしてから、バナナマンをもっと好きになってて、アイドル番組のMCって、広げたり掘ったりするだけじゃなくて、即興的なリカバリーの技術、フォロー力が必要だと気付かされ、改めてバナナマンの地肩の強さに関心している。この人たち、面白いだけじゃなくて上手くもあるんだった、みたいな。
確かに、リアクションうるせーなとかイラっとしてしまう瞬間があったりと危なかっしさはある番組ではあるんですけど、予定調和から外れた時の爆発力はやっぱすごい。
ふいに「怖い話」をする企画で先述したHK3の高山一美の“入ってこない”怖い話を聞いて爆笑させられたりする。
その分、選抜メンバーを発表する回の感情の入れ様、悲喜交々が伝わってきて半端ないんですけど、って普通にファンじゃねえか。ほんと、今となっては「道玄坂69の『ぬるぬるローション』」で笑いを取ろうとしていた自分を殺してきます。
頑張っている乃木坂ちゃんを性的なことに絡めんじゃねえ!
ももクロが「全力」だとするなら、乃木坂の「頑張っている」感じがすごく好きだ。
部活動に打ち込んでいるような、ひたむきさがすごく良い。仮に芸能界で売れなかったとしても、きっと今後の人生でプラスになるような活動をしていけるユニットだと思う。