竹原ピストルのライブに行ってきた話と、お笑い芸人も全国ツアーをやるという概念くんを持つべきだ。

竹原ピストルの『BEST BOUT』ツアーの沖縄講演に行ってきました。
頭から、「オールドルーキー」「LIVE イン 和歌山」「俺のアディダス〜人としての志〜」を連続で、増田俊也著『VTJ前の中井祐樹』の表紙の様な顔で歌い上げる。否が応でも、魂は震える。
「俺のアディダス〜人としての志〜」は、ダウンタウン松本人志へのラブソングだ。竹原ピストルダウンタウン松本の関係は、竹原が野狐禅としてデビューして『HEY!HEY!HEY!』に出演した頃にさかのぼる。明らかに綺麗ではない二人組がダウンタウンにいじられるその姿はまさに異質で、そこで歌ったのが「自殺志願者が
線路に飛び込むスピード」なもんだから、それは一つの事件だった。
その後は、アルバム『BEST BOUT』からの楽曲をメインに二時間歌い上げた。
野狐禅時代の楽曲「カモメ」も聴くことが出来た。
トークでは、「どう見ても10代後半くらいの男に、『どんどんよくなってますよ』と言われた」と言うような話をしていたけど、なかでも「打ち上げでスナックに連れていかれて、やむなく『浅草キッド』を歌ったら、ママに『あんた全然歌わないから下手なんだと思っていたら、まあまあうまいじゃない』」と言われた話は最高だろ。
間を持たせるように、話の合間合間に挟まれるその笑顔は、笑いの神様に愛された芸人達が照れる時にする笑顔と同じキュートさだった。
アンコールでは、観客のリクエストに応えてくれてその『浅草キッド』と、中島みゆきの『ファイト!』を歌ってくれた。
中島みゆきは、中卒だから仕事をもらえないと世を恨んだ女の子に、ファイトと呼びかけた。THE BLUE HEARTS甲本ヒロトは、頑張れって言ってやると歌った。
この二人と同じように竹原ピストルは、頑張れという言葉に説得力を持たせることが出来る男だ。他人が他人へ、頑張れというためには、作品だけじゃなく、生き方も誠実でなければならない。それがあるべき姿でありながら、どれほど難しいことか。
先の二曲をどちらもカバーして、なおかつダウンタウン松本人志をモチーフにした歌を歌って、あざとくならないのは、竹原ピストルくらいなもんだ。
ライブの後もニコニコと物販の場に立ってサインをする姿含めて、格好良すぎた。良いライブだった。
写真撮って貰えば良かったな。


ここからは、バカの一つ覚えのお笑いの話。前々からうっすらと思っていたことで、竹原のライブを見て何で「お笑い芸人が全国ツアーをやらないのか」っていう疑問がより強くなった。
たとえば、竹原だったらギターとハーモニカだけでもいいのだけれども、それよりももっと荷物が多いバンドでも地方に足を運んだりするのは割と当たり前になっている。お笑い芸人であれば、漫才ならマイク一本、コントなら衣装と椅子2脚で最低限のネタは出来る。そして、これらはライブハウスにあるものなので、バンドよりも気楽に全国を回れるというものであるべきなのではないだろうか。
今回、竹原ピストルのライブの会場は、椅子ありで100人以上のキャパなんですが、そこで、一人2500円だとして、満員になると25万円の売り上げになる。後ろを立ち見にすれば、30万となる。
ライブハウスの使用料や移動代金を差し引いても、東京でやる一回のライブより儲けが出るんじゃあないだろうか。
そして、グッズを売ったりしたら、もっと色がつく。ここもそうで、何でお笑い芸人はそういったグッズを作らないのかというのも前から思っていた。
Tシャツなどはもちろん、例えばライブを録音したCDや、DVDを作らないのか。
お笑い芸人にも、そういったインディーズバンドのようなDIY精神があっても良いんじゃないのか。
持ちネタが多くて、2時間以上持たせることが出来るコンビは、それをもってふらっと全国回ればいい。ネタ1時間分で、あと1時間トークでも、地方だと2〜3000円とれるし、出せます。
知名度については読みにくいが、ネタ番組に呼ばれるほどの実力や知名度があれば、100名集めることができるんじゃないのか。
あと、ネタが崇高なものであるっていう概念くんも、もういいなって思っていて、いいネタなら何回も見たいし、落語のようにどれをやりますと先に言っていてもいい。
それは地方に限らず、東京でもそうだ。
要は、ラフな単独みたいな概念くんが登場してもいいんじゃないか。
その点で、渋谷コントセンターの形式はすごくいい。新ネタをおろして当たり前という概念くんは、どこかで止めるべきだ。そこに割いてる労力を、外に向かうためのアイディアに向けても良いのじゃないか。
バンドや落語家のお金の稼ぎ方っていうのを参考にすべきだと思います。「そうじゃねえだろvsガクヅケ」のDVD通販とか面白かったですし、個人的にはそういうのが活発になるべきだと思っています。
地方ライブだけじゃなくて、例えば、noteやYouTubeで動画をネットにあげるという若手も若手の芸人って何組いるだろうか。


そういうことはしていくべきだ、そういう時代だ。