ベストラジオ2017(1)10~5位

 今年で5回目、いよいよ毎年恒例になってきたベストラジオです。過去の記事を見てみると、アーカイブになりつつあって、ラジオが面白限りは続けていきたいと思います。それでは、いきましょう。どん!!

 

10位 『バナナマンバナナムーンGOLD(17.06.10)』「バナナマン日村、ホールインワンを出す」

 

 アマチュアホールインワンを出す確率は12,750分の一らしいが、そのホールインワンを日村が出したまさにその日の夜に放送された回。トークで、生放送の前にタレントのヒロミらとゴルフに行っていた日村がホールインワンを出したことが話題に上がると、「確かに綺麗に打てたのよ。5番アイアン。ちょっと長めのアイアンですよ。ほんと、綺麗に入ったの。設楽さんもゴルフやるから分かるとおもうけど、ぱんって打ったら、はるか先、150Mくらい先にグリーンがあるんですけど、同じ目の高さです。言ったら打ちおろすわけでもない、打ちあげるわけでもない。同じ高さのところ、旗があって、そこにめがけてボールが飛んでってる。本当に旗にめがけてなの。1cmもずれてないの。旗にめがけて行ってるの。これ綺麗に入ったなーって。乗った。当然乗るんですよ。コロンコロンってしたら、はい!消えた!」「とりあえず、カメラもってうわーって走って行って、カップ覗いたら、あるー!!ってなって、うわー入ってる本当に」「大興奮でした本当に。」とその時の興奮も冷めやらぬままに振り返る。
 すると、スタッフがサプライズで急遽作成した、ホールインワン記念Tシャツも登場すると、そのTシャツをリスナーにプレゼントするために、「祝!ホールインワン記念!日村をホールインワンさせるメールを大募集」という展開が始まる。
 「日村をホールインワンさせる」とは番組が出したお題に対して、日村がホールインワンだと思う回答をリスナーが送り、日村本人がホールインワンかどうかを答えるというもの。そこでは、「自分(日村)を乗り物に例えるなら」では「新幹線」、「日村勇紀の半生を映画化した場合の主演」では「星野源」などのホールインが飛び出し、リスナーも日村が喜ぶようなメールを送り、終始、ホールインワンを出した日村へのお祝いモードで、とても幸せな放送だった。
 『バナナムーンGOLD』は毎年こういうハプニングがあり、それだけでも嬉しいのだけれども、それをただのトークだけで終わらせるだけじゃなく、リスナーも巻き込んだ放送にしていく。他には「2017年上半期テレビ出演本数1位に返り咲いたことで、同じくTシャツを作成したり、設楽が家を買ったり、星野源の公式お兄ちゃんになったり、高級マンゴーを奪い合ったりした。
 来年の最強のふたり達の金曜の楽しい夜更かしも楽しみです。

 

9位 『オードリーANN(17.2.26)』「ビビる大木ゲスト回」
 

 以前からちょくちょく、オードリーの二人がトークで、ヤバイと話していたビビる大木が、ついに満を持してのANNに出演した。オードリーは芸人の先輩である大木と真面目な話をしたいにも関わらず、オードリーをとっちめにきたと豪語する大木は、登場して早々にオードリーの二人に握手をさせようとしたり、ひたすらに二人を振り回す。そんな攻防が最高だった回。
 オードリーの二人が、大木が、オードリー若林が『キャプテン翼』の若林源三をもじった若林ゲンゼイとして車のCMに出演したことや、映画『アバター』が地上波初放送される際、 ナビゲーターに就任した春日が全身青色のアバターに扮して「アバトゥース!」と叫んだことを何年経っても未だにいじってくるのが不思議で、何でそんなことをするのかと尋ねると、大木は「最初見た時驚いたのよ」「ついにそこに噛んできたんだあいつ(若林)」「ひっかかってるの俺だけなのかなあ」「月日とともに何となくみんなの記憶が終ってくってなった時に、あ、やっぱりこれは風化させちゃいけないんだなーっていうのが俺の中で芽生えて」「いじったはいいけど、一回ニ回言ったら、CMの終りと同時に何となくみんな終っていっちゃったりするけども、それで終っていいのっていう字も自答だよ」と、その理由を淡々と説明する。それをオードリーの二人はツッコみながら、笑いながら聞いていく。
 その様子から、つるの剛士が言っていた、「クイズでやりにいっている人かどうかの判断は、出したクイズの答えをしっかり言えたのはやっぱり本物だった」という話を思い出さずにはいられない。
 結局、「仕事終わりに、マクドナルドでアイスコーヒーを飲みながら坂本竜馬の本を読みながら、隣に座った女子高生の会話を盗み聞きする」「ジョン万次郎の資料館を見るために高知に一人旅をする」という生態ぐらいしか聞けなかったわけだが
 大木は最後にトッポをオードリーの二人に端から食べさせてから帰っていった。
 ビビる大木といえば、ネプチューン堀内健に振り回されているというイメージがあったが、「狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり」ならぬ、堀内の傍にいすぎたからなのかは不明だけれども、本人も十二分にクレイジーだということを確認できた放送でした。

 

8位 『極楽とんぼの吠え魂(17.02.29)』「一夜限りの復活」

 

 山本が吉本興業を解雇になったことによって、リスナーにとって不本意な形で終ってしまった『極楽とんぼの吠え魂』が、本当の意味での二人での最終回を行うために、10年7カ月ぶりに一夜限りの復活を果たした回。
 そんな悲願の放送が出来たことの喜びに浸る間もなく、放送開始すぐに山本が風邪をひいている疑惑で、加藤やリスナーから責められるという、そんな年月をすっ飛ばすような、先週まで放送していたような通常回モードに入っていく。
 他にも、加藤が山本の卑屈な言葉の数々に「茶ぁ濁す癖ついているよな」と指摘したり、それは良くない、きちんと背負わないといけないこともあるが、山本のこれからのためにも「山本圭壱が炸裂することしかないと思っている」とはっぱをかけたりする。そのやり取りの中で、立ち位置をどうすれば分からなくなった山本が加藤に「お前もうるせえんだよ!」「こっちが言えば、そっちが尻尾とってぶんまわして」とキレ出したのは最高に笑いました。
 小沢健二も『流動体について』で「躍動する流動体/文学的/素敵に炸裂する蜃気楼」と歌っていたが、一年を振り返ってみると、自分は炸裂できたかと自問自答してしまう。
 番組後半には、いてもたってもいられなくなって来てしまうでお馴染の「いてもたっても遠藤」ことココリコ遠藤も乱入し、トーク玉置浩二の「Mr.Lonely」を歌いきった。
 最後には、加藤が「次に進めます。僕ら、だから吠え魂最終回やらせてもらったことで、次の極楽とんぼ、10年間あいだ空きましたけど、またどういう形で皆さんに笑っていただけるか分かりませんし、それがどこまで出来るか分かりませんけれど、こっから頑張っていきたいと思いますんで、一回この吠え魂っていうのをね、最終回迎えて終わらせていただくっていう言葉をこれ、はっきり言わせていただくっていうのは有難かったと思います。」と締めた。エンディング曲はエレファントカシマシ 「俺たちの明日」だった。それはまさに、「本当の最終回」に相応しい内容だった。
 放送の中では、当時のサウンドステッカーもふんだんに使われていて、色々なことを思い出した。
 事件の当時、ネットしていない地域に住んでいた。もちろんradikoなんてものはないので、リアルタイムで聴取することが出来ず、2ちゃんねるの実況板に張り付いて、リロードしては増えていく文字だけを眺めていたことだとか、もっと遡って、高校生の頃、こちらも当時ネットされていなかったので『めちゃ×2イケてるッ!』で番組名がいじられていることでしか知らなかった『極楽とんぼとび蹴りゴッデス』の「本気喧嘩マッチSP 」を見て興奮しながら、そのまま流れるようにちょうどその日が初回だった『極楽とんぼの吠え魂』を聞いたこと、初期はフリートークは最高でコーナー弱かったなあとか、絨毯をクリーニングに出して揉めた「絨毯訴訟」はあの年のベストトークだったなあとかを思い出した。
 『極楽とんぼの吠え魂』、『加藤浩次の吠え魂』リスナーとしても、本当に聞けて良かった回でした。

 

7位 『オードリーのANN(17.12.17)』「豊島公会堂の思い出」

 

 爆笑問題の『検索ちゃんネタ祭り』にここ数年出場しているオードリーの二人は、その収録の時期になると、若林は爆笑問題くりぃむしちゅーに憧れていたので二人の前で漫才をするということが感慨深いという話をするのが恒例となっているが、今年は、その話から、高校生の頃にアメフト部の練習の帰りにバスに乗って、春日と豊島公会堂に見に行った「ギャグコレクション」というライブについての思い出が長めに聞けた。
高校生の春日が「もし一回も笑えなかったらどうしよう」「俺が笑えなかった場合自分のほうが上になっちゃうから、そしたらその先何で笑えばいいんだろう」と言っていたにも関わらず、隣に座った若林が「聞こえないからうるせえな」ってなるくらい前説から爆笑していた話や、初めて見る生の爆笑問題は、何故か爆笑問題の太田が噛みまくって、それで笑いが起こるという漫才を見た高校生の若林は「いや、そういうんじゃねえんだよなあ、見たかったの。」と思った話をする。それを聞いた春日は「生意気な奴らだな!もう絶対行くなよ、お笑い見に。めんどくせえから!」とツッコミ、二人で爆笑する。
 若林が十何年後に太田にそのことを話したら、恥ずかしがって「それはごめん、それは申し訳なかった」と謝られたという話もとても良い。
 そんな『検索ちゃんネタ祭り』で披露された漫才「CR春日」は、ラジオでのやりとりを彷彿とされるやりとりや、ボディビルとエアロビという春日が「なんでも屋」としてバラエティで習得した新たな武器がふんだんに盛り込まれている、アップデートしながらも多幸感はそのままの漫才で、それはもう見事な豊島公会堂の間(ま)でした。
 思い出話といえば、お笑い芸人のほうのスギちゃんではなく、高校の同級生の「ワイルドスギちゃんの話(17.12.10)」もノスタルジックで、そのまま小説として読みたくなるような味のある話でとても良かった。高校生のころからワイルドスギちゃんに「ジャリ(若林)も喧嘩とかしたほうがいいよ」と言われていた若林が、最近になって偶然再会したら同じことを言われたという話はたまらなく愛おしい話だった。

 

 6位 『伊集院光 深夜の馬鹿力(17.12.12)』「ヤギの怪獣・ヤギゴン」
 

 伊集院光がMCを勤めている『100分 de 名著(NHK)』という番組は、伊集院曰く「名著の力が強すぎてちょいちょい気持ち悪いことを言ってしまって、しかもOAされてしまう」とのことだが、先日スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』が取り上げられた時に、伊集院がうっかり番組内で話してしまった「ヤギの怪獣・ヤギゴン」について話した回。
 『ソラリス』には、記憶から物質化された存在に蝕まれていくという話があるのだけれども、そのことについて、番組で解説のために出演している先生は、「昔自分の自殺した女が出るってパターンよりも、始末が悪いのは、やらなかったものが出てくる」ということを一所懸命話しているのだけれども、伊集院はその途中でピンときてすぐに理解できたと話す。
 その理由と言うのが、「高校行けなくなって自分の中の心がかなりやべーことになっている時に、ヤギの怪獣、いつもヤギの化け物が、この世の中を端から食えばいいって思ってたんです。」と話しだす。そして、「あれが出るってことだ」「本当にあったやつよりより始末が悪いのはそういうことで妄想だったり、こんな奴世の中いたら終わりだって思っているようなやつが送り込まれちゃう。自分の心の中の一番出てほしくないやつが、そのどうやらソラリスによって実物化されて来るわけだから」ということで理解したという。
 その話を収録中にした時に、先生はどんびき、アシスタントの女性アナウンサーはグンびき、ゲロびきしたという。
 伊集院は高校生の頃に、学校に行かない日は、あらかわ遊園地に何となく行っては、ヤギに今までの自分の写真をヤギに食べさせるということをしていたという。
そこから、「世の中全体をヤギが食べればいいって思ったんです。で、その僕の想像が作ったのが、ヤギの怪獣が全て僕の周りの世の中を食べ終わって、ヤギともう俺と空間だけになれば、どんなに楽かって思ったわけです。」「自分がこうやって立ってる。前にヤギがいて、その周りの風景が全部一枚の書き割りみたいになって、それを端から、ヤギが食べ始めるっていう、で、その食べ終わったところは、無だから、その無の中にヤギと俺がいる世界になってくれれば、今よりは楽っていうそういう考え方」と話す。
「だから病んではいないんです!」「今のコンプライアンスでは駄目なんですよ、ヤギ法の方が決まりましたから。何年か前ですかね、今の自民党じゃない、ヤギ政権があったときに」という笑いどころを挟みはするものの、十七年来のリスナーでも、ややびきする話になっていた
 こんな話する予定なんかなかった、という様に本当に不安定な放送になっていた。
初めに『ソラリス』のあらすじと話のキモを話してから、「ヤギゴン」の話に入っていくいくという、伊集院光の卓越した話術がフル活用されているからこそ、リスナーもその不安定さの波に襲われていくという、それこそ『ソラリス』のような話になっていた。

 

以上、ベストラジオ2017の10位から5位まででした。
長くなったのでまた明日~。