石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

タイタンライブ14/10/10

 タイタンライブに行ってきました。開演時間ちょっと過ぎに着いてしまったので、オープニングの映像が終わってからの入場。
 トップバッターは、瞬間メタルで漫才。ヤクザ映画に出たいと話すタケタリーノ山口に乗って、ヤクザ映画のシーンを再現するが、最終的に寿司を握っているというネタでした。
続くウエストランドは、「モテない」のネタ。ツッコミの井口が、粘った上に競り負けるといういつもの一人相撲をするフォーマットに変わりはないものの、ボケの河本が喋る割合が今までよりも2割は増えていることからもTHE MANZAIにかけていることが窺える。「売れていないのに一発屋」と井口は嘆いていたらしいが、どうにかファイナリストに食い込んでほしい。
さらば青春の光は「速読」。森田が舞台の上手に座り、本をぱらぱらとめくっていく。本当に内容を理解しているのか疑っている東口が、自分が持ってきた本を速読で読ませて、内容を聞いてみるというネタ。ここで、東口が森田に渡した本というのが「禁断の果実」という官能小説ということから、一気にコントが転調し、笑いを回収していく。
エンディングトークでも、森田が「(KOC前の)今呼ばれたってことは、そう言うとなんでね!」と決意表明をしてました。
ところで、白石茉莉奈というAV女優がいて、この方は結婚しているけれど、旦那が海外に単身赴任しているので、その間にAV女優をしているという方なんですが、それが本当でも嘘でも、自分が旦那の側に立ってしまって全くおちんちんレーダーが反応しないわけですが、それと全く同じフォルダに入っているのが、さらば青春の光の東口です。
 今を時めく日本エレキテル連合は、既存のキャラの都美子と比呂美で登場。何をするのかと思ったら、仕事が出来ない比呂美が部長に怒られたという話をして、言ってもエレキテルにしては普通のネタだったのですが、その二人が「日本エレキテル連合って知ってる?」「面白いよね」と話しだすところから、急にコントのスイッチが入る。
 その後は、「彼女達は来年も行けると思う」と言いだし、挙句の果てには、物販でサイン入りのDVDを売っていることを話す始末。都美子と比呂美が、朱美ちゃんと細貝さんのセリフをするという一幕に、コントとコントと現実が入り混じり、脳がぐんにょりとしているうちにネタは終わっていました。帰り際、余韻で一種の洗脳状態に陥ってしまっていたので、脳がぐんにょりしていたため、サイン入りの『腹腹電気』を購入していました。
 藝が荒れているといえばそれまでだけれども、荒れていることすらもネタにする、全盛期のにしおかすみこにはできないけれど、やっていたら三代は叩いていたであろうネタも、ある意味今しか見られないものです。
 インスタントジョンソンもなかなか趣のあるコントだった。工事現場で、アルバイトと社員のゆうぞうとアルバイトのスギ。がこれからの仕事について打ち合わせをしている。すると、そこに、じゃいが登場する。ここから先は、「工事中だから通り抜けられないよ、穴があいているんだし。回り道してください。」とスギが制止するも、めんどくさいし、と食い下がる。その騒ぎを聞きつけて戻ってきたゆうぞうからも、じゃいに「ここは通れないよ」と話すもやっぱり通りたがる。「どこ行きたいの」とゆうぞうが尋ねると、「下手(しもて)」と答えるじゃい。「ん?」となる客席。「こっちでは穴掘っているんだから、裏手から回りなさいよ」と返すゆうぞう。
ここではっきりするのが、じゃい。とゆうぞうは、自分達がコントのキャラであるということを理解しているということ。メタ小説ならぬ、メタコント。「穴開けたら、怒られないの?会場の人に」、夏を演出するために鳴っている蝉の声には「これは俺がyoutubeからとってきたやつだから」などといったセリフも出てくる。
最後は、じゃいが二人を振り切り、下手(しもて)に行ってしまうが、そこで結局その穴に落ちてしまう。エンディングで、このネタの話題になった時に、「じゃいがネタを書いてきたのでみてみたら、こんなネタだった。最初は二人とも、『ん?』となったので、一旦会議をした結果、とりあえずじゃいのセンスにまかせよう!」となったことでかけているという。
東京ダイナマイトの漫才は「お前バツイチらしいな」「お前もじゃねえかよ」というやりすぎて、有段者の空手の演武のように流れるような、けれどもあと5000回は見ても面白いツカミから始まったわけですが、そこから宮沢賢二の「アメニモマケズ」で、「西に耳の聞こえない者がいれば、行って曲を書いてやり」という松田のボケに、ハチミツが「いつまで佐村河内ネタやってんだよ」とツッコむと、さらに松田が「俺はまだやるぞ!」と返したのは最高でした。
そこから、寿司屋のネタ。やはり、松田が演じる「こいつには何を言ってもダメだ」感は唯一無二だと思う。
パックンマックンは、マックンを立ててマックンが何を言っても笑ったり、ほめたりするという漫才だったのですが、いまいち客席にはまらず、客席全体がアメリカンジョークをまとめたサイトにある何が面白いんだかよく分らないやつを聞かされているみたいな空気になっていました。エンディングトークで、「このネタはすごい案だから、今後シリーズ化出来たら楽だと思っていたけど、今日で封印です」と反省していました。
さらば青春の光は結局ネタ中に射精する描写を入れて観客に対して尖っているし、日本エレキテル連合は、事務所であるタイタンを箱推ししている観客と自分たちにナイフを突きつけ、東京ダイナマイトは世間に向かって日本刀を振り回していた。インスタントジョンソンまでもがコントという演芸そのものにピストルを突き付けていて、タイタンライブに出る芸人は、私生活が上手くいっていないのかと思わされるほどに、とんでもないネタが続いていたのだけれど、トリ前のBOOMERアンドプリンプリンが、「結局ベタだよね」という言葉すらも陳腐に思えるほどにベタベタウラベタウラウラなコントを披露し、それらのネタの匂いをリセットするという、無事爆笑問題のネタが始まる前に、寿司でいうところのガリのような役割をしていました。この例え、完全に東京ダイナマイトと、瞬間メタルに引っ張られました。
政治的な理由なのか闇営業が入っていたのかは分かりませんが、今回は長井秀和がお休みでした。仮に出ていたとしても、BOOMER&プリンプリンのコントは、長井の匂いすら消していたことでしょう。
政治といえば、今住んでいる市では市長選と県知事選が繰り広げられていて、選挙カーや街頭演説を目にするようになっているのだけれど、こないだ、県知事へのある候補者が当選することがいかにいけないことになるかという演説をしてる人がいたのですが、その中の一人が、Gカップ位あってて、しかもパツパツの白いシャツを着ているもんだから、めちゃくちゃ主旨がぶれています。
最後の爆笑問題の漫才については言うことはないです。笑っちゃいすぎて覚えていないし。
ここ最近気づいたのですが、爆笑問題が好きすぎて、あんまりテレビで見るのと、生で見るのと変わりがないように思えてきました。おそらく対面しても、現実に存在しているのか実感がわかない感じ。
その後はみんな大好きエンディング。初めにタイタンメンバーを集めてトーク。実は、日本エレキテル連合は、このライブの間にも近くで営業が入って、まだ帰ってきていないという恐ろしい状態だったのだけれど、しばらくするとトークに参加する。
そこでは日本エレキテル連合爆笑問題の会話に何かと入ろうとしては、黙ってろと太田さんをはじめとした全員に制止されるという井口という光景が素晴らしすぎた。
ゲスト陣のパートでは、先に書いたエピソードなんかも飛び出し多幸感のまま終了。新婚旅行に食い込めて良かった。

タイタンライブは、シネマだったら全国の主要都市では見られるんですよね。
名前は聞くけどきっかけがなくて見ないという人も多いと思います。そういう人は損してるとかじゃないです。
シネマライブすら見れない地域に住んでいる僕に失礼なんですよ!!!
ちゃんと行けよ!!!!