石をつかんで潜め(Nip the Buds)

ex俺だって日藝中退したかった

岡村による舌禍事件を受けた爆笑問題カーボーイを聞いて思っちゃったこと。

 『爆笑問題カーボーイ(2020.5.5)』では、オープニングから45分をかけて、ナインティンナインの岡村の舌禍事件を受けてのトークが繰り広げられた。太田がメインとなったそのトークは、全方位に配慮しつつも要点をきちんと抑え、そしてそれに笑いも交えるというもので、何でこんなに論理的な思考が出来る人が、割り算出来ないんだ、あと、お小遣い0円ってどういうことだよと思わずにはいられないほどに、聞き入る放送となっていた。
 「いやあ、やっぱり何かあったときの『爆笑問題カーボーイ』は神回だなあ。太田さんは優しいなあ」
 いつまでもそれで終わっては駄目だということに、いい加減気がつかなければならない。今の日本で、まともなことを大多数の人に向けて発信出来ているのが爆笑問題太田光と、伊集院光くらいしかいないという世の中はなかなか狂っているなという認識はずっとあって、この二人に代弁してもらったように思い、全てを終わらせた気になるのは甘えであり、そろそろきちんと自分で考えるということをしていかないといけない。岡村による問題の発言以降、要点を掴めず右往左往してしまい、全てにおいて受け手となるしか出来なかった我々のような有り余るほどに深夜ラジオへの思い入れがあるリスナーは、ここから、思考することを始めなければならない。
 『HUNTER×HUNTER』での一幕に由来する、正しくは「沈黙!!それが正しい答えなんだ」がいつの間にか「答えは沈黙」へと変容してしまったインターネットスラングがあるが、黙るにしても、思考の末に黙るのか、ただ黙らざるを得ないから黙っているのかでは、ストレスの度合いが違う。
 つまりは、喋るにしても、黙るにしても、思考しなければならない。
本来であれば、太田のように、何故それが問題発言となるのか真の意味で理解したうえで、岡村の発言を批判しつつ、岡村さんの人間性と深夜ラジオの特性を擁護するなど出来なければいけなかったのだが、まず、批判と擁護という言葉について最近思っていることから説明したい。
 いつからか、この二つの言葉は、敵か仲間かを判断するための言葉に成り下がった。それはまるで、陣地のパーセンテージを増やせば勝ちという『スプラトゥーン』のようだ。飽きるまで終わらない、でも忘れられないその無料のゲームは、分断を産みつづける。
 そういうことからも、自分も含めて、批判しつつ擁護をするということが出来る人がいなくなっている現状はとても危険であり愚かであるので、まずは、「批判する」と「擁護する」という行為について改めて向き合い、取り戻さなければならないと考えている。でなければ、万が一、太田光が問題を起こした時、誰も守れなくなる。
 そのためにも、太田がこの件について、どのように語ったかについて、確認することから始めたいと思う。なお、深夜ラジオの書き起こしというのは、てにをはから始まり、言葉の詰まり方、呼吸の取り方を句読点で表現するなどして、細部に気を配らなければいけないし、そこまでしなければ絶妙なニュアンスは再現出来ないという不文律があるが、今回は敢えてそれを破る。そのようにしても、太田が語ったことの強度と柔軟性は損なわれることはないということもあるが、語り口で誘導するのではなく、批判と擁護のためにすべきことを抑えたいからであるということをご理解いただきたい。
 今回の件は大まかに「貧困」「女性差別」「深夜ラジオ」という三つの要素が絡み合っているが、太田はまず貧困についての説明から入る。若者の貧困が問題になっているのは、ずっと前からであり、新型コロナはあくまできっかけではなく、そこに追い打ちをかけるように現れた問題であり、若者の貧困それ自体は、住む家そのものがないということから、ただでさえ少ない給料から奨学金を返さなければならないといった程度の差こそあって、全く関係ない人もいるかもしれないがそれは恵まれた一部の人だけで、ほとんどの若者に無関係の話ではないことであり、さらにはそれを改善させるための運動をしている代弁者がいるという背景とその切実さを説明する。
 それから太田は、続けてフェミニズムの問題について話す。若者の貧困と同様に、性産業ひとつをとっても、例えば、セックスワークをすることは男性からの性の搾取であるから無くすべきだという考えもあれば、性を売りにすることも女性の自由であるから働くことは自由であるといった考えがあるように、性風俗産業だけでも、見解にはグラデーションがあるが、政治的な、構造的な理由によって、性風俗に限らず望まない仕事、ブラック企業への就職などをせざるをえなくなるということへの反対意思であり、憲法第22条で定められている「職業選択の自由」が守られていない、権利が阻害されていることであるということはどの立場からでも一致しているところだろう。仮に性風俗産業に流れ着いたとしてもそんなに儲けられるわけではないという事実もあり、だからこそ、もちろんそれは貧困の問題と大きく重なる部分が存在する。
 最後は深夜ラジオという場についてだ。爆笑問題が話していたように、深夜ラジオというのは、もともとは人気者が一時的にするものだった。それをいつまでも続けていいものに変えたのが、他ならぬ伊集院光爆笑問題、そしてナインティンナインであることは間違いないと思うが、だからこそ長く続けてきたことによるパーソナリティーとしての葛藤や、リスナーとの連帯から、それらがあるゆえに生じた一種の油断のようなものまで、発言にいたったことまでの背景を太田は話す。
 深夜ラジオに限らず、ラジオというのは、時間こそ限りはあれど、面白ければハチミツを買いに行ったみたいな話を延々と出来るというのが一番の魅力だろう。それを端的に表すエピソードがその日に生まれた。それは、『伊集院光とらじおと(2020.5.5)』にて、伊集院光の師匠である、三遊亭円楽がゲストに出演して、話しの流れから、伊集院と円楽が二人会をやるということになった。そのネットニュースの見出しは『伊集院光が師匠・円楽との“二人会”挑戦へ「僕、落語やります」ラジオで語る』だったが『深夜の馬鹿力』を二十年近く聞いている身からすれば、そんな簡単な話ではない。かなり前から、伊集院は、落語を一人で散歩がてらさらっていたりするというトークをしたり、『とらじおと』が始まった頃に円楽にゲスト出演してもらったり、正月に挨拶に行った話をしたりと、徐々に徐々に伊集院としてはかなりデリケートに外堀を埋めてきたはずである。そして、今回の放送でやっと、円楽のほうから、「二人会をやろう」と言いださせたという経緯がある。師匠と弟子という付き合いは続いていたとしても、伊集院は落語を止めた身であり、伝統芸能の世界では、そんな伊集院からは、いくら落語をやりたいと思っていたとしても、師匠に対して二人会をやりましょうというのは言いだせることは絶対に出来ないことであり、だからこそ、円楽から強制的に開かれるという方向に持っていかないと行けなくて、それまでの伊集院の作戦は、十何年前に『Qさま!!』で共演したところから始まっていたとも思えるし、この日の放送での、いつもよりも甘えているような伊集院の円楽への対応は決めに行っていたとも深読みが出来るわけだが、そのくらい余白がある案件でも、ネットニュースに上がってしまうと「タレントが落語をやる」くらいの味になってしまうんだなあ、とそのざっくりさに複雑な思いを抱いたばかりであったが、それくらい、ラジオでの話しは、よく言えば繊細、悪く言えば、聞き流してくれよ、放っておいてくれよという思いに成り立っていることは、否定できない。
 本当に今回の岡村による舌禍事件は、様々な問題がバッティングしたことによることであると思うので、だからこそ、岡村一人を糾弾すれば良いというものではない。しかし、その分、考える責務をリスナーも負うべきだろうと考える。
 太田は終始、重なるという言葉を使っていた。それは、分かりあえないはずはないという希望であり、それをリスナーに伝えるために使っていたはずだ。
 『ONEPIECE』には光月おでんによる「異形を恐れるは己の無知ゆえ!!」というセリフがあったが、我々は、フェミニストに限らず、深夜ラジオやバラエティ番組を批判する人を異形だと思ってしまうのだが、それは主張を芯から理解しようとしていないからであり、せめてベースとなる知識くらいは得るべきだ。
 太田は、あくまで、岡村の知識の無さからくる配慮のいたらなさをやんわりと指摘した。矢部が30年越しに返した「性格変えろ」はすぐには難しいかもしれないが、知識を得ることは案外簡単だ。もちろん、難しいのは自分と他者を接続するための批判と擁護が出来るようになることのほうだ。でも、知識を得ることでしかスタートラインに立てない。

 きっと何度か失敗はするかとも思うが、いつかは出来るようになるはずだ。我々はそれを、誰あろう岡村隆史から学んだはずだろう。

早稲田文学会『「笑い」はどこから来るのか?』での渋谷知美さんの文章が良かった件

 早稲田文学会が発行している『「笑い」はどこから来るのか?』を読んだが、そのなかで、社会学者の渋谷知美が書いた「お笑いとジェンダーについての覚え書き」という文章が、感動を覚えるほどに良かった。まず、『ダウンタウンのごっつええ感じ』のコント「実業団選手権大会」の説明から入る。ここで、筆者が最近見たネタではなく、若かりし頃にリアルタイムで見たコントについて書かれていることで、これから書かれることは血が通った考えであるということが分かる。
 渋谷は、この3分にも満たないコントから、<当事者間で「常識」「当たり前のこと」として通用するルールも、部外者からすれば意味を成さないのであり、ひるがえって、私たちが生きるこの社会に「常識」「当たり前のこと」として存在する諸々のルールも実はナンセンスなんじゃないの、ということ>を学び、そこから<フェミニズムもお笑いもこの社会を俯瞰する視点を授けてくれるものという認識には変わりがない>と、大方が、フェミニズムとお笑いは相性が悪いものと認識しているであろうなか、<お笑いとフェミニズムジェンダー研究を架橋すべく>とも述べているように、敵対しあうとされている両者の接続を試みる。
渋谷は、ジェンダーおよびフェミニズムの話と、お笑いの話をシームレスに行き来するが、その美しさはまるで『ドリームマッチ2020』で披露された千鳥大悟とハライチ澤部による千鳥とハライチのマッシュアップ漫才のようだ。ちなみに、南海キャンディース山里とオードリー春日の漫才はミックスが想像を超えず、マッチングの時に山里が春日に二回振られたところがピークであった。
 そこから、渋谷はネタを書き起こし批評に入る。対象となったのは、コロナ禍のなかで、チェコの大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルが反政府活動をしていたころのサミズダード(地下出版)のごとき配信「もう二度と松竹を辞める人間を出さないでおこうTV」をしている松竹芸能におけるディシデントである元ピーマンズスタンダードのみなみかわと、女性ピン芸人ヒコロヒーが、即席のコンビを組んで『M-1グランプリ2019』で披露したネタだ。
ネタの書き起こしといわれると、数々の炎上によるトラウマから、かまえてしまうかもしれないが、ヒコロヒーのセリフの、関西でも一部のエリアか、ダイアンのユースケしか使わないような濃い方言である「我(わ)が」という表現をそのまま用いていることから分かるように、ネタのニュアンスを損なわないようにするという渋谷の配慮が存分に窺える。
 渋谷は、みなみかわとヒコロヒーのネタにおける<「男芸人の生態」を浮かび上がらせる見事な構成>と、<男女を反転させて「女の経験」を描くことで「男の生態」の異様さが浮かび上がる仕組み>を取り上げ、さらにはAマッソの「進路指導室」のネタの解説へと続く。今や取り上げ方に寄ってそのスタンスがバレてしまうリトマス試験紙のようになっててしまった「進路指導室」のネタへも他とは異なる厚みのある解釈を提示する。
 これだけでも満足していたのだが渋谷はさらにここから、女性芸人がしがちとされる「恋愛/結婚ネタ」についてアカデミックなアプローチをもって取り組む。それは、若手女性コンビ燗々のお祭りに来たカップルのネタを見て、やっぱり女性コンビは恋愛をテーマにしたネタをするのかと思っていたら、繰り返し100回以上は見たと豪語する『M-1グランプリ2016』での和牛のネタも、同じシチュエーションであることに気がついて、フェミニストでありながらそのネタを恋愛ネタと思わなかったことに自身が愕然としたことがきっかけとなっているのだが、そこから渋谷は、当時GYAOにて配信されていた『M-1グランプリ2019』の全296組の三回戦のネタを確認して、本当に「女性芸人は恋愛/結婚ネタをしがち」なのかどうかの検証に取りかかる。やっていることは、悪意のない『水曜日のダウンタウン』だ。
 渋谷が作成した、コンビ名、そのコンビを構成する性別、ネタのタイトルがまとめられたこの一覧表は圧巻である。余談だが、タイタン所属のまんじゅう大帝国の「登山に行った」、キュウの「カリーが好き」は羅列されている様々なタイトルのなかでも異質で、それは誇らしくもあり、タイタンの漫才師の未来は明るいと思わされたりもした。
 そして、渋谷が出した結論はというと、やはり「女芸人は男芸人より恋愛や結婚を扱ったネタをしがち」というものになった。そもそも女性芸人のサンプルが少ないことが瑕疵であることは認めつつも、渋谷と読者が心の奥底で望んでいたような、実は女性芸人は、恋愛/結婚をネタにしていなかったというような結果は得られなかったわけで、渋谷も少し残念がってはいたが、とても興味深かった。
 渋谷の文章の締め方も最高だったのでぜひ一読してほしい。

今、ONEPIECE本編めちゃくちゃ良いです。

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 いつものように、『ONEPIECE』のコミックスの最新刊を買いに本屋へと行ったら、思わず、『ONEPIECE』の販売促進用のポスターを見て写真を撮ってしまった。96巻のためのそのポスターは、ロジャー海賊団のイラストに、「あの日おれ達は世界の全てを知った―――。」という文字が書かれているものだった。『ONEPIECE』の96巻は、ポスターの通り、ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団が、最後の島に辿りつき、ひとつなぎの財宝を見つけるという過去が描かれているという、重要な巻なのだけれども、『週刊少年ジャンプ』の本誌を読んでぐっと来た、光月おでんが、ロジャーの処刑と、大海賊時代の幕開けを知って、ワノ国の浜辺を泣き笑いしながら、駆けるシーンも収録されている。物語上では、あまりに有名な一話の冒頭に連なるシーンであり、ここにきてさらに物語に厚みが増したわけだが、加えてこのシーンを本誌で初めて読んだ小学校高学年のころまで思い出した。
 現在のジャンプ本誌での『ONEPIECE』は、このワノ国の大名であり、ひとつなぎの財宝に到達するために必要な能力を持っている重要な人物である光月おでんの過去が描かれたあとに、現代に戻り、ワノ国の侍らが、ルフィらと力を合わせて、四皇の一人であるカイドウとワノ国の将軍である黒炭オロチをいざ討たん、そしてワノ国を開国せよ、というところであり、尾田栄一郎がずっと書きたかったというワノ国編は佳境を迎えようとしている。1000話、100巻に向けて、さらなる盛り上がりを見せるであろう。   
 決して新型コロナの感染拡大防止のための自粛による暇が出来たというわけではなく、あくまで本誌をさらに楽しむためにであると自分に言い聞かせつつ、『ONEPIECE』を、パンクハザード編から読みなおすことにした。パンクハザード編は、ワノ国の侍である、狐火の錦えもんが初登場するだけでなく、なぜ今カイドウと戦うことになったのかということが始まっていく重要なシリーズなのだけれど、そこからワノ国編までまた読みなおしたが、これまでは流し読みしていたんだなというくらいに、読みなおしてみると、その重要な秘密に対して丁寧にフっていたりということに気付かされて、めちゃくちゃ面白かった。
 ルフィたちと共闘している、錦えもんを始めとするワノ国の侍の主要メンバーである赤鞘九人男はとてつもなく強い面々なのだけれども、最近全員が集まり。パンクハザード編からドレスローザ編、ゾウ編を通して、適度に重要な秘密をフリ続けていたことが分かって
 実は、この赤鞘九人男のうち、錦えもんを含む数人は、トキトキの実という、未来に行くことが出来るという悪魔の実の能力者によって、過去から現在に飛んできていて、物語上では20年経過しているものの、錦えもんらからしてみれば数ヶ月前の話となっている。他の侍は、20年、ワノ国で、トキトキの実の能力を疑ったり信じたりしながら、過ごしていたのだが、全員がバラバラになっていて、なかでも一人の、傳ジローというキャラを一気に好きになってしまった。ネタバレになってしまうが、傳ジローは、二十年間、独りで、しかもオロチの下で正体を隠しながら、20年を待ち続けていたということが発覚し、それがめっぽう、胸にくるものがあった。
 数か月前のことだけれども様々なことがあった錦えもんら時空を飛び越えた者と、待っていた者、半ば疑い自由に生きていた者と、赤鞘九人男、熱すぎるので、読んでみては、読みなおしてみてはという話でした。
 

4/1~4/10までの日記

4/1
新年度初日。家庭の事情により、午後からの出勤。気持ち的に、新年度一発目は、フル出勤をしたかった。一応、別の班に異動になって席も変わったのだが、これまでの業務を行う。残業をすることになったので、フジテレビの志村けん追悼特別番組は、後日見ることになる。
「布マスクを二枚も頂けるんですか!?」とツイートする。

4/2
特にツイートもしていないので、何もなかったのだろうか。
新しい席になって二日目、ストレスがないことに気がつく。というのも、二日前まで座っていた席の、隣の班は、ずっと喋っていたり、電話も取るのが遅い、『ドンキーコング』のキングクルールみたいな体型のアルバイトのおっさんが女性陣に話しかけたりお菓子を毎日配る、昼休みの消灯時間に勝手に電気をつけたりすることを筆頭に周りが見えていない自己中心的な行動をしまくる最悪な老害と、それを仕切れず、挙句の果てには班員の陰口をいうクソダサムーブをかます班長と、粛々と仕事をしたい自分にとっては最悪な幻影旅団であったのだが、一日、離れるだけで、解放感が半端なかった。

4/3
そういえば、と思い、ツイッターのアイコンを、マスク姿にデコる。
折坂悠太の新しいアー写を見る。サインペンで書かれたような粗雑な折坂悠太が、口と顔にマスクをしているという最高さに、テンションがあがる。
折坂悠太は、太田光チルドレンなので、さもありなんである。
以下、TBSラジオ アフター6ジャンクション(2018.11.09)の書き起こし。 

あの、改めまして、折坂悠太と申します。ぼくはですね、何を隠そう、TBSラジオヘビーリスナーでございまして、あの、家ではですね、CDラジカセの上に、番組票が貼ってあ
るっていう。中学三年生のときに、あのぅ、あれは夜眠れなくって、深夜三時に、深夜三時じゃないですね、一時くらいだったかな。ラジオつけたら、まぁ、『爆笑問題カーボーイ』が流れてきて、で、そのとき、すいません、他の番組で申し訳ない、そのときに、コーナーとかすっ飛ばして、もうずーっと太田さんが、あのぅ、「人生は修羅だ」っていうことをですね、一歩間違えば、どういう風に踏み外すか、人間は分からないんだ、自覚的に生きろっていうメッセージをですね、ずーっと、こう。で、その時に、朝起きて、あぁ、これは凄いものを聞いたと思って、朝ごはん食べる時に、母に、あの、こんなこと喋ってて、凄いものを見つけてしまったって、伝えるんですけど、なかなか伝わらなくてですね。これを伝えるにはどうしたらいいかっていうことから、ぼくの表現の道というのは、始まった気がするので、TBSラジオ、あんまりおべっか使うみたいであれなんですけど、でもね、ほんとに、TBSラジオが無ければ、多分ぼくは、いなかったと思うんで。今日は演奏できてとっても光栄です。

4/4
子供をあやしながら、志村けん追悼特別番組の録画を見る。合わせて、『アメトーーク』の「みちょぱすごいぞ芸人」を見る。方々でその取り上げ方が批判されていたが、むべなるかな、と思った。
TLで、Zoomというアプリを使ったオンライン飲み会に関するツイートを目にし始める。やりたいなあ、と思いつつ、上手く出来なそうでもあって、いつものとおり、憧れるだけである。
ジェーン・スーの『生活は踊る』の1コーナーの「追悼 #志村けん さん~志村さんが愛したソウルミュージック」をエリアフリータイムフリーで聞く。

4/5
朝一番、という時間帯でもない、10時頃に、大きめなスーパーへと行ったら、思った以上に人がいて、ビビる。

※たしか、この日はマスクをせずにスーパーに行っていたということを一応記録しておく。

4/6
沖縄のイオンにて、新型コロナの感染者が出たというニュースを見て、その身近さに驚く。
同じ班に、ずっと喋る奴がいることが発覚。つらい。しかも、「コロナさん」や、子供をうちの小動物が、とかいうタイプで相当に厳しい。
ゴリけんが、新型コロナに感染したというニュースも見る。誰かが、『ゴリパラ見聞録』は不要不急なことしかしていないと言ってて、笑う。福岡に遊びに行った時、ちょうど、ロケをしている、矢野ペペがいない状態の、ゴリパラを見たのだが、写真を取ってもらえば良かったね、という話を未だに妻とする。

4/7
新業務、引き継ぎ業務、コロナ関係の会議と、三つの業務をやっていて、『ホームアローン』の冒頭くらい忙しさで一日が終った。
母親から、ウシーミーの連絡が来て、その無防備さにキレそうになる。ウシーミーとは、本土でいう、お盆のようなものであり、親族が集まるのだが、あまりにも沖縄は、コロナ感染拡大のフリが効きすぎている。
今週の『ONEPIECE』にて、ジンベエが正式にルフィ海賊団に加入。名前が出てから22年とのこと。
厳密にはいつだったか覚えていないが、東浩紀の『観光客の哲学』という本を帰宅してからは読んでいる。一度読んで、頓挫し、そこから二年くらい経っているだろうか。ゆっくり読んだら、前よりは内容に追いつけているし、面白い。

4/8
伊集院さんの『どうぶつの森』の配信のアーカイブを聞きながら、新年度までの日記をブログにアップする。
星野源の「うちに踊ろう」の画像と、加藤茶の「ガーリックトーストの歌」の画像を合わせてアップすることを思い付き、ゲラゲラ笑いながらアップするも、誰からもお気に入りを貰えず。サザンの桑田さんが、なんて凄い曲を作ってしまったんだと思ったら、全然売れなかった『イエローマン 〜星の王子様〜』みたいな話か?

4/9
特になし

4/10
新型コロナの対策の作業を、職場で行う。こういう時に、露骨にはしゃいでいることが漏れている人間を心の底から軽蔑してしまうので、必要以上にローテンションで作業をしていた。さて、どうなるのだろうか、これから。
出勤の形態が変わりそうだ。
『ONEOISECE』の「ワノ国」編が始まる九十巻から読みなおす。

告知

 twitterでもツイートをしましたが、4/25発売のQuickJapan149号にて、「emotion」というカルチャーについてのコラムを電柱理論名義で担当いたしました。その中で、「とあるテレビを見るという行為」について書いていますので、手に取っていただけたらと思います。
 続きまして、告知のハスってないverです。
 4/25発売のQuickJapan149号での「emotion」というカルチャーについて語るコーナーで、テレビを見る行為について書きました!!アンケートやツイートで反応してください!!!!!!最高のデビューにさせてくれや!!!!!!!!
 
 はい、というわけで、あのQuickJapanさんに書いた文章を掲載してもらえることになりました。電柱理論とは、使用しているラジオネームで、気持ちをお笑い芸人に例えるなら、地下でずっとライブに出ていたところに、やっとゴールデンでネタを披露する場を設けられたという感じで、ひとつの夢が叶いました。もちろん、初めてのことで、デビューということになるのですが、1ページも貰えているという僕にして見たらもったいないくらいの破格のデビュー戦です。インターネットに長文をあげてから、おおよそ9年かかりました。真空ジェシカが、ラジオの特別番組『ラジオ父ちゃん』をやった時に、川北が「ここからの芸人です。もしくは、ここまでの芸人です」と言って笑いを誘ったように、これをデビューと称しているのは、今後に繋がればいいな、という思いがもちろんめちゃくちゃあるからですが、そういった僕のかかりは置いておいて、気軽に手に取っていただけたらと思います。

  ここからは余談ですが、普段のブログと違う、とても勉強になったところは、文字数に制限があるということです。いつから、多く書いたほうがいいのではないかという、もちろん、書きたいことがあるということは前提として、やや強迫観念のようにも取り憑かれていたのですが、紙幅に限りがあるということについて考えることはとても楽しかったです。あんまり、説明しても、野暮なのでこれくらいにしておきますが、間違いなく言えることは、界王拳3倍を使ったように密度と文脈をぶちこみ、ぼくのブログをずっと読んでいた人ならさらに行間を読めるテキストになっていると思います。

 ほんとうによろしくお願いします。

 

 

 

 

怒りはすぐに濁るから、その涙だけを覚えておく


星野源がインスタグラムにアップした、「うちで踊ろう」という歌は、自由にコラボ、つまりは二次創作に利用していいと、自粛をする中でも楽しみを見出すという、桃を買いに行くだけでもトークを出来ると評されたオードリーの若林みたいな、2014年にバスに乗っただけであんなに面白いトークをしたハライチ岩井のような、あ、いいや、勝手に調べてください。とにかく、そのムーブメントに安倍晋三が乗っかったという事実がある。そのことを、強制された自粛のために仕事の勤務が変わったことで、日曜日にいったん出勤しないといけなくなっていた仕事場で知った。その文字を見ただけで臓腑が煮えくりかえるほどの怒りが湧いたと同時に、まさかそんなことがあるはずはないと信じられなかった。でも、それは紛うことなき事実であり、動画を見て、涙が出るほどに悔しくなり、蹂躙されたような気持ちで胸が張り裂けそうになった。結果的には、三十五万いいね付きました、みたいな、私の戦闘力は五万ですみたいなこと言われたところで、だったら、『100日後に死ぬワニ』の100日目の6分の1の価値じゃねえかとしか思わないけれども、まず何故、この動画を作成した意図を考えなければいけない。ひとつ目が、まじで好感度を狙いにいったという可能性。こんな『めざましテレビ』のキャスターがエグザイルの流星ダンス踊ってみたみたいな価値観で国民が安心すると思ってやられているとしたら、もうほんとうに舐めている。もしくは、裏の裏含めて、新型コロナ対策の議論ではなく、星野源が政争の具にされたことに対してに議論させ、あわよくば怒らせるみたいな意図を持っている可能性。だとすれば、SNSの特性を把握しており、かなり巧妙であり、まんまと術中にはまっている。しかしそれは『王様はロバ』で縄文人の村に、なまこみたいな宇宙人がやってきて、村人たちがこの生命体は友好生物か、敵対生物かで決を取って、敵対生物が多かったのだけれど、友好生物派が、じゃあ、この生物はビームを出すか出さないかという質問を与えて、友好生物派(原典では友好生物党)が二組に分かれて、敵対生物派が多くなるみたいな話なので、しっかりと事実のみを見極めなければならない。どっちにしろ、文化を舐め腐っているという点である。このことは星野源に限らない。今まで、現政権は、文化の上澄みだけをすすってきており、その地続きなわけである。嫌いな作品には、いちゃもんをつけて補助金を打ち切り、政府は補償をするべきかしなくてもいいのかという議論を、自粛に協力しないアーティストは是か非かということにスライドさせる。その反面、アイドルやポップスターという政治的な対応から漂泊せざるを得ないところの人気という果実だけをもぎ取る。特に星野源の「うちで踊ろう」は配慮に配慮を重ねられたムーブである。そこには、医療の最前線に立っている人、そうでない医療従事者、応援される仕事の人、嫌われている仕事の人、昼に働いている人、夜に働いている人、夜の世界で働いている人、働いてない人という全員に開かれていて、それは『Dr.スランプ 』の、『Dr.スランプ アラレちゃん』じゃなくてそれはアニメだから、で、その則巻アラレの「おはこんばんちは」みたいなものなんだけれど、だからこそ明確な主語が無く、でも、それこそが限りなく政治的だし、反政治的だし、反政治的なことをするという政治的なメッセージで、そのギリギリのラインを星野源という強度を武器にしたことに、のっぺりとした、それでいて邪悪なただ乗りの仕方を現政権はしたわけである。ぼくは高校三年生の時の文化祭でダンスをクラスでやることになって、その練習で踊ってみたら、女子に爆笑されたくらいに致命的に音感がないのだけれども、それでも、星野源の武道館のライブで、踊ったわけである。その思い出にすら唾を吐かれたような気持ちになった。そんなことと誰かにお金を貸していた気がすることはどうでもよくて、さらに、星野源の反応に煮え切らないと怒る人たちも出始めて、すでに指摘があるとおり、セカンドレイプのような構図となっている。反吐が出る。なんでみんなそんなに冷静に、星野源の動向に議論が出来るんだ。お前らはあれか、コンサート行って、後ろにもたれて、ワンドリンク片手に、関係者でござい、みたいなツラして読者モデル抱いているしょうもない業界人か。砂かぶりでみっともない体幹がないことが分かるダンスをしろ。怒れ。悔しがれよ。悲しめよ。

新年度始まる前までの日記

 東京から帰ってきて二週間経ったので、その時の日記を書こうと思います。
 東京では永野のほかに、玉田企画の『今が、オールタイムベスト』を見てきました。玉田企画の代表作の様な作品の再演ということだが、面白かった。チケットの半券を自分で切るなどという対応で入場し、開演を待つ。
 面白かった。基本的に玉田企画は、上滑りするような会話劇が特徴で生々しい舞台なので、特に透明な存在になって覗き見するような感じになるのだけれど、今回は席が舞台を挟むような形になっていて、しかも観客のほとんどがマスクをしているというところが、さらにその感じを際立たせて、それを含めてさらに覗き見感が倍増していた。
 夜に永野を見てそのままホテルに買える。いつもであれば、友人と飲んだりするのだけれど、今回は止めようということで友人とも会わなかった。そうなると、自ずとご飯も適当になり、というか蕎麦しか食べなかった。永野の良さからコンビニで地元では売っていない檸檬堂を買ってホテルで飲み、就寝。

 

 明けて土曜日。本当であれば、この日に空気階段を見て六時過ぎの便に乗ってそのまま帰るつもりだったが、空気階段が無くなったのであと八時間どうしようかなと考えていたら、ふと、便を早められるのかなと思い、電話して聞いてみたら変更出来るとのことなので、何便か早くして決めて、少し早めに帰ることに。ここは、規約に触れているかもしれないので、ここは嘘です。いくつかある食べたいお店に行きたかったがどこも休みだったのが残念。
 空港に着いたとき、爆笑問題カーボーイの神田伯山ゲスト回を聞き直してニヤニヤしていたのだが、そこで春日太一を見かけて、びっくりする。基本的にあの件に関しては、春日太一もコンディションが悪いことを見抜けなかった伯山が悪い。悪いけど、面白かったから別に嫌いにはならない。春日太一を嫌いになる。
 飛行機の中では東浩紀『ゆるく考える』を読んでいた。3割ほどしか理解していないだろうけど、すぐにでも再読、これからも読みなおし続けるような自分にとって重要な本になりそうだった。加えて、混迷を極めた現代社会における最高のニュースが届く。『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』楽しみ。
 誕生日を迎え35歳になる。
 そしてここから国内のコンディションが悪くなる。
 
 『100分de名著』のNHKテキストの『力なき者たちの力』を読み始める。
 

 


 最近の『ONEPIECE』がまた面白くなってきて、傳ジローをこの二週間ほどで好きになる。アニメ『映像研には手を出すな』を見終わる。とても良かった。
 志村けんが死ぬ。信じられない。思った十倍つらい。『ドリフの頃は権威を嗤う笑い、ドリフの後はドリフから脱却する笑い、ベテランになってからはバカ殿として笑われる権威の笑いという、キャリアに沿ったコントを生涯やり続けた人だった。それだけで志村けんは偉大。』とツイートを打っている時に泣きそうになってしまう。

 年度末二日前、予想していなかった移動の対象になってしまう。今回の人事異動、嫌いなやつがめちゃくちゃ出て行くし、新しく課長になる人が、ぼくのことを可愛がってくれているので、急な移動含めてもトータルで考えるとプラス。どのくらい可愛がっているのかというと、最近髪を短くしたのだけれど、「なんか良い感じだな」と言われたくらいにハマっていて、尖りも気に入ってくれている。予想していなかった移動の対象も白羽の矢だと思い、快諾する。もしくはヤリマンだと思われているのか。どちらにせよである。
 来月の予定の歓送迎会が無くなる。自粛を要請ですか、と一気に機嫌が悪くなる。
 前年度の最後に一番感動した言葉は、サンキュータツオの「モスバーガーって、いたる所にあるわけじゃないからぁ、みんな心の中のモスバーガーあるんだよね。」。四つほどあります。

 

 絶賛大売れ中です!!